傷つきながら成長する少女の活躍が見所の、TRPGファンタジー小説です!

 狐の獣人族 ルティが黒衣の魔族リトに託された1本の鍵をめぐり、ユヴィラの森と呼ばれる森・その周辺を旅する……というお話です。

 「戦闘・痛々しいシーンが多い」と作者さまは前書きされていますが、作中で登場する表現はどれも控えめです。シリアス・笑い・和やか・といったバランスのとれた作品ですので、戦闘シーンが苦手な方でも楽しく読むことが出来るファンタジー小説です。特に序盤で登場するリトと人間ロッシェのやりとりについて、一種の主従関係を思わせるような場面は必見です!

 また「少女と賢者の旅物語」の続編となっておりますので、前作に登場した少女ルベルや学者セロアなども登場します。立ち位置も前作とは異なるため、前作を知っている方でもあれば、作品の世界観をより詳しく堪能することが出来ます。さらに戦闘シーンでは魔法を使用する場面もありますので、物語の登場人物たちと一緒に自分もその場にいるような気分を体感することが出来ます。

 もちろん前作を読んでいない方でも問題なく、やや戦闘シーンが多い「旅物語」的なファンタジー小説となっています。「家族愛」を連想させるような場面も多数登場、『指輪物語』『ナルニア国物語』などファンタジー小説が好きな方であれば、作品の世界観に浸れること間違いなしです。
 さらに「旅物語」「ファンタジー」「魔法」など読みどころ満載の作品なので、この機会にぜひご一読ください!

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