※こちらの作品は「少女と賢者の旅物語」の続編となっていますが、このまま単独でも読むことができます。ですが、より物語を楽しみたい方は前作から読むのがおすすめです。
※この物語は、エレナーゼTRPGという(作者様が創られた)シェアワールドノベルスの世界観が舞台となっておりますので、ルールブックを一読しておくとより世界観に浸りながら読むことができます。
あらすじにもある通り、狐の獣人であるルティリスが、リトと名乗る魔族から鍵を預かることで物語が始まります。
リトの望みを叶える為に前作で登場したロッシェ、ルベルやセロアなどのメンバーと共に冒険をするというストーリーですが、ストーリーと同時に、キャラクターの掛け合いや成長も楽しむ物語のように感じました。
鍵を使って封印を解きに行く。ストーリー自体はとてもシンプルなものですが、キャラクターが皆それぞれ個性的で魅力に溢れている為、彼らの掛け合いを楽しみながら読むことができます。
例えば前作のキーマンであるロッシェは、リトとはお互いに腹を探り合うというキレ者の一面を見せながら、娘のルベルには頭があがりません。また娘の先生であるセロアの前では人間らしい弱さを見せつつ、ルティリスを守る時は元暗殺者に恥じない戦闘力を発揮します。
誰と一緒にいるかで各キャラが見せる顔がグッと変わる為、キャラの個性や関係性を重視するキャラものの作品が好きな方にはかなり刺さる作品だと思います。
また、関連作品が多いのも魅力的。エレナーゼ大陸という一つの世界を舞台にしている為、お気に入りのキャラクターによって読む関連作品が変わってくるのも面白い点です。
リトが気に入った方は続編の鴉シリーズへ。ロッシェやルベルが気に入った方は前作の旅物語へどうぞ。
読めば読むほど世界観が深まっていく感覚を、彼らと共に旅をしながらじっくりと味わってほしいと思います。
狐の獣人族 ルティが黒衣の魔族リトに託された1本の鍵をめぐり、ユヴィラの森と呼ばれる森・その周辺を旅する……というお話です。
「戦闘・痛々しいシーンが多い」と作者さまは前書きされていますが、作中で登場する表現はどれも控えめです。シリアス・笑い・和やか・といったバランスのとれた作品ですので、戦闘シーンが苦手な方でも楽しく読むことが出来るファンタジー小説です。特に序盤で登場するリトと人間ロッシェのやりとりについて、一種の主従関係を思わせるような場面は必見です!
また「少女と賢者の旅物語」の続編となっておりますので、前作に登場した少女ルベルや学者セロアなども登場します。立ち位置も前作とは異なるため、前作を知っている方でもあれば、作品の世界観をより詳しく堪能することが出来ます。さらに戦闘シーンでは魔法を使用する場面もありますので、物語の登場人物たちと一緒に自分もその場にいるような気分を体感することが出来ます。
もちろん前作を読んでいない方でも問題なく、やや戦闘シーンが多い「旅物語」的なファンタジー小説となっています。「家族愛」を連想させるような場面も多数登場、『指輪物語』『ナルニア国物語』などファンタジー小説が好きな方であれば、作品の世界観に浸れること間違いなしです。
さらに「旅物語」「ファンタジー」「魔法」など読みどころ満載の作品なので、この機会にぜひご一読ください!