概要
あの人が笑ってくれるなら、僕は進んで悪魔にでもなる。
ロージャ王国の辺境の小城トヴェリは、勇猛な騎馬の民ジャライルに包囲され落城の危機を迎えていた。罪人から兵士に引き上げられた少年ユーリーは城主ミハイルに命じられ、ジャライルに勝利するための秘策を実行することになる。やがて「黒死将」と恐れられるジャライルの主将との出会いが、少年と王国の運命を大きく変えていく──
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!美しく弧を描いて飛ぶ首
前になにかのテレビで、昔の攻城兵器の一つ、カタパルト(投石機)の実演を見ました。
巨大な天秤棒の片方にぶら下がった六トンの石。もう片方には長い綱の先に編まれた網。
その網を、カタパルトの台の下に潜り込ませて、って奴です。
人殺しの兵器なんであんまり手放しで喜ぶのもなんですが、二重振り子みたいな動きで、ロマン溢れる飛び方をするんです。
そうやって、ロマン溢れる感じで投げ込まれた首。
籠城して、包囲されて、「もうだめだろ」ってなりながらも訓練する奇妙な日常。
ごく微量のラジウム(たしか)が練り込まれた光るグラス。
泥だらけの床にぶちまけられた、ふやけた大麦。
今とは全然違うけれど、…続きを読む