人生の「義務」というテンプレートの外し方のヒント

  • ★★★ Excellent!!!

ゲームは面白いもんです。
けど、それを文章にするのは難しい。
それが義務になったら、なおさらでしょう。
ここでは、義務というのを人生の「テンプレ」と置き換えてみましょうか。

本作を読んでみて感じたことは、いわば新しい教育に対する「挑戦状を叩きつける行為」だと置き換えられる気がするんですよ。
ゲームは基本、与えられたミッションをクリアし、目的を達成するという目的があるが、それを人に感想文として伝える義務はない。ゲームはあくまで趣味だからです。まあ、その面白さを人に伝える人もいますが、それはまた違う話になるのでここではひとまず置いときます。

さて。ちょっと視点を変えてみましょう。

人生における「義務」とは何か?

社会で生きていくためにそれなりのステータスを得、幸せを得ること。そう思う人は決して少ないくはないハズです。誰だって安定を求めるものだし、誰だって安心して暮らしたいって思うのが人情ってもんです。

いやいや、そこでちょっと待てって声を上げる人もいたりします。自分の人生にステータスなんかを求めていない人もいるじゃないか。そもそも、自分はそんなものは求めていないし、リスキーだからこそ生きがいがある…そういう人だいるのも事実だったりするんですね。安定を求めることを義務だとするなら、この生き方は義務とは遠い位置にある生き方と言えるでしょう。


何がいいたいかと言うと、人生を「義務」で生きるにはあまりにも窮屈過ぎる行為だって言っている訳ですよ。趣味だけで人間は生きていけないけど、それを続けるには働く必要がある。その中で生活をする必要がある。そのために、どーしてもお金を稼ぐ必要がある。

少なくとも、人生を見てると、生きるためにはそういう「義務」が課せられるってのがテンプレだと考えていいわけですね。個人的な考え方で恐縮ですけど。

そうなると、娯楽を楽しむ余裕がなくなっちゃうんですよ。これって、味気ないと思いませんか?

ここで、本筋に戻しましょうか。
中学生に置いて、遊びを義務化するというのは遊びを修行に変えろって言ってるの同じなんですよ。なんだったら、苦行僧にでもなれって言っても良いかも知れませんね。

要は、物の捉え方のテンプレを取り外し方というものをこの作品は書いているように思えるんですね。

テーマは間違いなく面白い。
それを伝えるだけの文章力がある。
ドラクエという国民的なわかりやすいテーマを持ってきている点は秀逸とも言える。

その結果、自分の感想文も、あ~ら不思議。なんとこの小説のように連想ゲームで書かれているではあーりませんか。


作者様はそこまで考えていないかも知れません。
しかし、そういう想像をさせるだけの要素を持っていると感じた自分が確実にここにいるわけですよ。だって、少なくとも自分は一気に読んでしまって続きが楽しみで仕方がありませんからね。

かなりイレギュラーな視点からのレビューになっちゃいましたけど、面白いと断言できます。



長々と失礼しました。

まる。


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