第22話 まだまだ続く苦闘の日々

 これで入院時に書いていた記録はおしまいである。


 だが、これで僕や家族をめぐる苦難が終わるか……と思ったら大間違い! 次々に試練が降りかかってきたのだ。

 まずは退院の日、9月5日。

 頼りにしていた美月が突然の体調不良で倒れた。以前から心配していた通り、夏の熱中症が尾を引いていたらしい。どうも母親の遺伝で体調を崩しやすいらしい。しかし何も僕が退院する日に狙いすましてように倒れなくても、思う。

 

 突然のことに、妻は弟に助けをもとめた。彼は急いで車を走らせ、病院まで迎えに来てくれた。僕と妻は、その車に乗りこみ、病院を後にした。

 ところが今度は僕が車に酔ってしまい、ゲーゲーと吐いてしまった。

 わけが分からない。僕は子供の頃は別にして、乗り物酔いしたことはない。例外は以前に参加した軍艦島ツアーの時ぐらいだが、あの時は波が高くて、上陸が危ぶまれるような状況だった。

 それ以外では乗り物酔いなど体験したことはない。車でも電車でも。

 もしかして入院している間に体質が変化し、乗り物が苦手な体質になってしまったのか? それは困る。病気が治っても東京出張などいけないではないか。


 あと倒れてないのは妻ぐらいのものだが、彼女はいつも無理をしており、いつ倒れてもおかしくない。僕はひやひやしている。

 まだまだ山本家をめぐる苦難の日々は終わってない。


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山本弘の闘病日記 山本弘 @hirorin015

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