地味&にぶちんOLの人生が音楽で開花!心地よいスウィングのような物語。

地味でちょっと優柔不断、ごく平凡なOLの飯倉花音。
彼女が、ふとしたきっかけで彼女の勤める黒田食品の社員たちで結成されたジャズバンド”KSJC”と出会い、思わぬ方向へと自分を開花させていく。
彼らの音楽が、それぞれのバンドメンバーとその周囲の人々へ起こしていく心地よい波を、スムーズな文章でなんとも美味しく描き出す、魅力に溢れた物語です。

音楽と、花音の成長、そして恋。破れる恋、実る恋。時の経過とともに去っていくもの、それでも続いていくもの——。甘さや幸福感だけでなく、そういう様々な要素がごく自然に組み込まれ、突出することなく絶妙なバランスでそれぞれに美しい色彩を放ちます。何かメッセージを声高に主張するわけではないのに……だからこそ、読み終えた後に読み手の中に様々な余韻を残します。

花音の人生の中の大切なワンシーンに、一緒に付き合わせてもらったような……そんなさり気なさ、切なさ、そして幸福感。「読んでよかった」と誰もが爽やかな読後感を堪能できる、なんとも心地よい味わいの物語です。

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