大秦華人民陸軍・海軍陸戦隊保有功機兵

 型番の「GJB」は「工厂产品代号=工廠製品番号」であり、功機兵の場合はピン音表記である「Gōng Jī Bīng」の頭文字を取ったものである(戦車はWZ、戦闘機はJ、等)。ただし大秦華の功機兵は例に漏れず、諸外国の魔導機人の劣化コピー品が多々見受けられる。

 固定武装以外は後ろの方で纏めてあります。そちらを参照されたし。


●66式功機兵"彭侯(ほんほう/ほうこう)"/66式功机兵 彭侯/GJB-02

 大秦華の制式主力功機兵。開発は大秦華北方工業公司と成都飛機工業公司。

 未だ魔導機人の技術が十分に発達していない時期に設計・開発された機体であるが、主翼に折り畳み機能を有し、大型戦略輸送機からの空挺降下が可能。この主翼と推進器を一括した飛翔装備も、ユニット化して功機兵本体からの着脱を可能とし、整備性が向上している。ただし、この空挺降下用の飛翔装備の設計は、逆に主翼の兵装追加機能を犠牲としてしまっている。とは言え、後年の魔導機人とほぼ同等の汎用性がこの時点で既に完成している。

 既に量産体制も整えられ、いずれは同盟諸国への提供・輸出も予定されているが、経済的事情から遅延する模様。また、マイナーチェンジ型では甲蛇の運用記録を反映した改良型の主翼を搭載し、ハードポイントを使用可能とする予定。

 ただし、実態は秋津島の四菱重工業製功機兵「64式功機兵"飯縄(いづな)"」のコピー品。BSTOコードは「レンチ/Wrench」(捻り、捻挫の意)。

<性能諸元>

・頭頂高:8.65m

・主翼全幅:8.1m(収納時:4.18m)

・空虚重量:9.42t(本体重量:7.14t 飛翔装備:2.28t)

・最大離陸重量:10.4t

・発動機:成都 燃氣渦輪-3(RQWL-3)

・発動機噴嘴(エンジンノズル)数:6

・滑走時最高速度:時速78km

・滑走・後燃時最高速度:時速147km

・飛翔時最高速度:時速259km

・航続距離:416km

・主翼兵装支持架数:なし

・装甲:蜂窩結構(ハニカム構造)式増強高強度鋼複合装甲、ジュラルミン材(飛翔装備)

・乗員:一名

<固定武装>

・12.7mm腕部内蔵型重機槍(12.7毫米裝於機腕型重机枪/UBKベレージン12.7mm翼内装備型航空機関銃流用)×2基

 両腕部に内臓可能な12.7mm機関銃。主に牽制・対人・迎撃用。使用弾薬は12.7mm×108弾。発射速度は約800から1050発/分。装弾数は片腕で255発。

・多目的発射機(多用途發射器/マルチ・ディスチャージャー)

<携行武装>

―手持ち式―

・機兵小刀(机兵小刀)

・機兵片刀(机兵片刀)

・機兵柳葉刀(机兵柳叶刀)

・23-2式23mm突撃機槍(23-2式23毫米机枪)

・N-37型37mm突撃機槍(N-37 37毫米机枪)

・40㎜自動歩槍(40毫米自动步枪)

・59式57mm野戦歩槍(59式57毫米野戰步枪)

・59式130mm加農歩槍(59式130毫米加农步枪)


●69式功機兵"甲蛇(じゃあしゅお/こうじゃ)"/69式功机兵 甲蛇/GJB-08

 彭侯の発展型として開発された功機兵。開発は大秦華北方工業と成都飛機工業に加え、白鳳飛機製造公司が参加している。

 基本的な設計は彭侯と大差ないが、大型化した主翼にハードポイントの追加、脹脛に燃料タンクを増設する等、より実戦向きの構造と成っている。が、予算的な都合も相成り、熟練した機師向けの強化型といった位置づけにある。なお、後年には本機を再設計した派生型が、量産型彭侯に替わる大秦華の制式主力量産型功機兵として配備されるが、それは90年代前半に入ってからの事だった。

 本機は彭侯が原型機であるため諸外国のコピー品というわけではないが、クリスチナのジェネラル・ダイナミクス社製魔導機人「M65A1 ヘイズン」の設計思想を一部盗用した構造と成っている。BSTOコードは「ワイルダネス/Wilderness」(荒野の意)。

<性能諸元>

・頭頂高:8.8m

・主翼全幅:13.1m(収納時:4.63m)

・空虚重量:11.28t(本体重量:8.24t 飛翔装備:3.04t)

・最大離陸重量:14.17t

・発動機:成都 燃氣渦輪-5(RQWL-5)

・発動機噴嘴(エンジンノズル)数:4

・滑走時最高速度:時速82km

・滑走・後燃時最高速度:時速152km

・飛翔時最高速度:時速286km

・航続距離430km(増槽搭載で30km×2追加)

・主翼兵装支持架数:4(荷重総量:2.19t)

・装甲:蜂窩結構(ハニカム構造)式増強高強度鋼複合装甲、ジュラルミン材(飛翔装備)

・乗員:一名

<固定武装>

・12.7mm腕部内蔵型重機槍(12.7毫米裝於機腕型重机枪/UBKベレージン12.7mm翼内装備型航空機関銃流用)×2基(選択式)

 両腕部に内臓可能な12.7mm機関銃。主に牽制・対人・迎撃用。使用弾薬は12.7mm×108弾。発射速度は約800から1050発/分。装弾数は片腕で255発。

・二連装69式40mm対戦車榴弾(69式40毫米反坦克榴彈)×2基(選択式)

 両腕部用の無誘導式対戦車ロケット弾。本来はルーシー連邦のRPG-7をコピーした歩兵用の対戦車ロケットランチャーとして開発されていた物を試験的・優先的に転用した物。対戦車とは言うものの、弾頭は対戦車用途の物を含め自由に選択できる。有効射程は、対戦車弾頭が300m、対人弾頭が1800m。上記の12.7mm重機槍と選択式。

・多目的発射機(多用途發射器/マルチ・ディスチャージャー)

<携行武装>

―手持ち式―

・機兵小刀(机兵小刀)

・機兵片刀(机兵片刀)

・機兵柳葉刀(机兵柳叶刀)

・23-2式23mm突撃機槍(23-2式23毫米机枪)

・N-37型37mm突撃機槍(N-37 37毫米机枪)

・40㎜自動歩槍(40毫米自动步枪)

・59式57mm野戦歩槍(59式57毫米野戰步枪)

・59式130mm加農歩槍(59式130毫米加农步枪)

―主翼兵装―

・S-5 55mm空対地ロケット弾(S-5 55毫米航空火箭彈)及び同ロケット弾用各発射機

・霹靂1型空対空ミサイル(霹雳-1导弹/PL-1/K-5/AA-1 Alkali)

・R-3型短距離空対空ミサイル(R-3导弹/Р-3/AA-2 Atoll)

・落下型増槽(ドロップタンク)

―その他―

・三連装J-201型有線式対戦車ミサイルランチャー(三雙J-201反坦克导弹发射器)


<功機兵用武装>

 手持ち式や主翼のパイロン等、幾つかの兵装は共用が可能である。

―手持ち式―

・機兵小刀(机兵小刀)

 功機兵サイズの接近戦用ナイフ。これに限らず功機兵用の刃物は魔導刃化が可能であり、必要な時にだけ切断力を向上させる事が可能である。

・機兵片刀(机兵片刀)

 功機兵サイズの接近戦用片刃直刀。護拳(ナックルガード)付き。

・機兵柳葉刀(机兵柳叶刀)

 功機兵サイズの接近戦用柳葉刀。

・23-1式23mm突撃機槍(23-1式23毫米机枪/NR-23航空機関砲流用)

 軽量な手持ち式の短機関銃型機関砲。使用砲弾は23mm×115弾。発射速度は毎分800発。装弾数は60発で、予備として更に240発を携行可能。

・N-37型37mm突撃機槍(N-37 37毫米机枪/ヌーデルマン N-37航空機関砲流用)

 巨大な手持ち式突撃銃型機関砲。使用砲弾は37mm×155弾。発射速度毎分400発。装弾数は50発で、予備として更に150発を携行可能。更に折り畳み式の刺突型銃剣も装着(取り外し可能)。

・40㎜自動歩槍(40毫米自动步枪 / ボフォースL/60 40mm対空機関砲流用)

 巨大な手持ち式の小銃型地上攻撃用火砲。ルーシー連邦経由で入手したレガドニアのボフォースL/60 40mm対空機関砲のコピー品を転用している。使用砲弾は40㎜x311R弾、発射速度は毎分120発、最大射程は7.16km。

・59式57mm野戦歩槍(59式57毫米野戰步枪)

 巨大な手持ち式の小銃型野砲。59式57mm高射砲(S-60)を流用している。本来は地対空機関砲だが、専ら地対地狙撃等に使われる。使用砲弾は57mm×348SR弾で装弾数は4発(クリップ式)。有効射程は4~6km。

・59式130mm加農歩槍(59式130毫米加农步枪)

 功機兵単機で運用可能としたカノン砲。59式130mm加農砲(M-46)を流用している。移動しながらの砲撃は、当たらない上に転倒による機体破損等の危険性も有る為、静止した状態での砲撃しか行えない。最大射程は27,150m。

―主翼兵装―

・S-5 55mm空対地ロケット弾(S-5 55毫米航空火箭彈)

 ルーシー連邦によって開発された航空機搭載型の対地攻撃用ロケット弾。元々東側諸国の標準的な航空ロケット弾である。弾頭や信管にもよるが、概ね射程は3~4km。

 以下、各種運搬用発射器。

≫ORO-57K:搭載数8発。空虚重量33kg、満載重量64kg。

≫UB-16-57UMP:搭載数16発。空虚重量57kg、満載重量138kg。

≫UB-32:搭載数32発。空虚重量103kg、満載重量264kg。

・霹靂1型空対空ミサイル(霹雳-1导弹/PL-1/К-5/AA-1 Alkali)

 ルーシー連邦のカリーニングラードK-5型照準線ビームライディング誘導式空対空ミサイルのコピー品。ビームライディングとは初期のミサイル誘導方式であり、発射した側が目標を光線で捕捉し続けながら誘導する方式である。ただし、搭乗する魔導師/機師による遠隔誘導術式の併用で、ある程度は誘導性能を強化できる。有効範囲は2~6km、弾頭重量は13kg。

・R-3型短距離空対空ミサイル(R-3导弹/Р-3/AA-2 Atoll)

 高麗戦争で鹵獲した西側のAIM-9サイドワインダーの不発弾を、解体研究して模倣した物。結局開発と生産はルーシー連邦によって行われたが、大秦華でも後にPL-2としてライセンス生産される。

・落下型増槽(ドロップタンク)

 飛翔装備用の追加燃料タンク。

―その他―

・多目的発射機(多用途發射器/マルチ・ディスチャージャー)

 煙幕弾、閃光弾、照明弾、信号弾等を発射する。

・三連装J-201型有線式対戦車ミサイルランチャー(三雙J-201反坦克导弹发射器)

 試作途中の有線誘導式対戦車ミサイル「J-201」を転用した物。腰部に三発ずつ搭載した発射器を一基ずつ装着可能だが、機兵刀のマウント箇所と共通である為、実質選択式。有効射程は400mから2,000m。威力は、厚さ120mmの傾斜鋼板(角度不明)を貫通可能。


<演算宝珠>

 功機兵/魔導機人の出力は気功/魔力ではなく搭載したガスタービンエンジンに依存する為、演算宝珠の内蔵宝珠核数で出力が変動するという事は無い。あくまでも機体制御用のシステムである為、「宝珠核が多い程、機体の性能を無駄なく活かせる」と捉えた方が無難である。

●気殿壹号(きでん~)

 功機兵専用汎用型気功演算宝珠。内蔵宝珠核は1基。搭載している功機兵は彭侯。


●気殿貳号

 功機兵専用特化型気功演算宝珠。内蔵宝珠核は2基。搭載している功機兵は甲蛇、一部の彭侯。

 悦明は「辛4771」、俊希は「丁6607」。


●気殿参号

 功機兵専用試作型気功演算宝珠。内蔵宝珠核は3基で、儒学における三徳=智・仁・勇を踏襲している。搭載している功機兵は一部の甲蛇のみ。

 天祐は「癸7964」、永濤は「戊5901」。

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