新幼女戦記 孤高の超者達

ルーシー連邦地上軍･海軍歩兵保有魔導機人

　ルーシー連邦では「Magic Humanoid」を意味する「Магический Гуманоид」を略して「MG(МГ)」で始める型番を与えられている。しかし魔術に否定的だった連邦は通常兵器の開発を優先した為に、魔導機人の研究には完全に出遅れてしまっている。その為、他国以上に既存する通常兵器の技術をそのまま流用した設計が多々見受けられる。全体的に重装で大柄な機体が多い。また、空輸する事自体は可能であっても、空挺降下が可能な機体も未だ存在していない。

　固定武装以外は後ろの方で纏めてあります。そちらを参照されたし。

●UVZ/MiG MG-65A"ラスビエット"(УВЗ/МиГ МГ-65А《Рассвет》)

　ルーシー連邦地上軍の主力制式魔導機人。機体名は「曙/暁」を意味する。

　ただし設計･開発･生産を請け負ったのが戦車開発最大手のUVZ=第183ウラル戦車工場(推進部分のみ戦闘機開発最大手のミコヤン･グレビッチ設計局)である為、外観を含め技術的には全くと言って良い程「人型戦車」である。

　極寒を始めとしたルーシーの劣悪な環境と、工業水準の低い同盟諸国での運用を想定しており、粗悪な燃料でも十分に稼働し、核攻撃に於ける電磁パルス障害を想定して電子回路に真空管を使用する等、信頼性と整備性に優れた単純な設計と、魔術抜きでも高い防御力を発揮する重装甲を持つ。反面、機動性に関しては魔導機人の中でも鈍重な部類であり、魔導機人の要である三次元機動力は致命的という程ではないものの低い。また、電子装置も性能の低さから、長射程の誘導ミサイルの使用に適さず、味方との連携には管制機や通信指揮車の存在が不可欠である。

　大秦華を除くラドム条約機構加盟国での提供･ライセンス生産が許可されている。ザンゼイ戦争では北ザンゼイ軍が同じく大秦華から提供された功機兵と共に運用している。派生型として雪上戦用の他、劇中には登場しないものの、後年には砂漠戦用や遠距離支援型が存在する。

　BSTOコードは「ウーンドA/Wound A」(負傷の意)。

<性能諸元>

・頭頂高:8.24m

・全高:9.19m

・主翼全幅:9.12m

・空虚重量:15.75t(本体重量:13.3t 飛翔装備:2.45t)

・最大離陸重量:18.84t

・発動機:クリーモフ GD-R10(Климов ГД-Р10)

・エンジンノズル数:1

・滑走時最高速度:時速68km

・滑走･アフタバーナー時最高速度:時速135km

・飛翔時最高速度:時速228km

・航続距離:417km(増槽搭載で20km×2追加)

・主翼ハードポイント数:2(荷重総量:2.17t)

・装甲:均質圧延鋼装甲及び鋳造装甲、ジュラルミン材(飛翔装備)

・乗員:一名

<固定武装>

・多目的発射機(マルチ･ディスチャージャー/Мульти Разрядник)

<携行武装>

―手持ち式―

・6M1MGマチェット(6М1МГ)

・6M2MGマチェット(6М2МГ)

・PPNR-23MG(ППНР-23МГ)

・PPGSh-23MG(ППГШ-23МГ)

・AN-37MG(АН-37МГ)

・S-60MG 57mm機関砲(С-60МГ)

・M-46MG 130mmカノン砲(М-46МГ 130-мм пушка)

―主翼兵装―

・S-5 55mm空対地ロケット弾(С-5 НАР)及び同ロケット弾用各ランチャー

・S-24 ブラン 無誘導ロケット弾(С-24 Буран)

・K-55 短距離空対空ミサイル(К-55 УРВВ)

・R-3 短距離空対空ミサイル(Р-3 УРВВ)

・9K31 ストレラ-1 近距離防空ミサイル(9К31 Стрела-1)

・9M14 マリュートカ対戦車ミサイル(9М14 Малютка)

・9M17P ファラーンガ-M対戦車ミサイル(9М17П Фаланга-М)

・ドロップタンク(ПТБ)

―その他―

・KPVT車載重機関銃(КПВТ)

・9M111 ファゴット対戦車ミサイル(9М111 Фагот)

●UVZ/MiG MG-65B"ラスビエット･シュティ"(УВЗ/МиГ МГ-65Б《Рассвет Штиль》)

　MG-65Aのマイナーチェンジ版。シュティは「凪」を意味する。

　装甲の軽量化と前方投影面積の削減を施した、実質的な軽量･高機動型である。基本的にはA型と大差無いが、防御力を犠牲に機動力を得た為、西側の主要な魔導機人と対等に三次元戦闘が行え、迅速な展開速度を必要とする戦闘にも十分対応可能な物と成った。特にザンゼイ戦争では、熱帯のジャングルを舞台にゲリラ戦法を強いられる北ザンゼイ軍には大いに喜ばれ、挙句の果てには鹵獲した本機の使用を求める西側魔導師も現れた。こういった優秀さの余り、MG-65Aが「MG-65Bの重装甲型」という誤った認識も広まっているらしい。が、現実にはそういう位置づけに成ってしまっている。

　決して高性能な機体ではなく、西側の魔導機人と比較して性能不足は否めないが、圧倒的な信頼性と安さは後続の魔導機人の追従を許さず、統一暦21世紀に於いても発展途上国で現役である。更に幸か不幸か、本機の後継に相応しい程十分に高性能かつ信頼性や生産性の高い魔導機人が開発されても、既に配備されているMG-65Bで事足りる=つまり代替する必要性が無いのが、本機を名機たらしめる所以だろう。

　派生型として雪上戦用型の他、劇中には登場しないものの、湿地戦用型(主にザンゼイ軍が使用)や砂漠戦用型が存在する。

　BSTOコードは「ウーンドB/Wound B」。

<性能諸元>

・頭頂高:8.24m

・全高:9.19m

・主翼全幅:9.12m

・空虚重量:13.85t(本体重量:11.4t 飛翔装備:2.45t)

・最大離陸重量:17.2t

・発動機:クリーモフ GD-R10(Климов ГД-Р10)

・エンジンノズル数:2

・滑走時最高速度:時速75km

・滑走･アフタバーナー時最高速度:時速145km

・飛翔時最高速度:時速246km

・航続距離:425km(増槽搭載で20km×2追加)

・主翼ハードポイント数:2(荷重総量:2.17t)

・装甲:均質圧延鋼装甲及び鋳造装甲、ジュラルミン材(飛翔装備)

　※劇中では登場しないが、後年はケージ装甲やベリーアーマーを増装した機体も存在する。

・乗員:一名

<固定武装>

・多目的発射機(マルチ･ディスチャージャー/Мульти Разрядник)

<携行武装>

―手持ち式―

・6M1MGマチェット(6М1МГ)

・6M2MGマチェット(6М2МГ)

・PPNR-23MG(ППНР-23МГ)

・PPGSh-23MG(ППГШ-23МГ)

・AN-37MG(АН-37МГ)

・S-60MG 57mm機関砲(С-60МГ)

・M-46MG 130mmカノン砲(М-46 130-мм пушка)

―主翼兵装―

・S-5 55mm空対地ロケット弾(С-5 НАР)及び同ロケット弾用各ランチャー

・S-24 ブラン 無誘導ロケット弾(С-24 Буран)

・K-55 短距離空対空ミサイル(К-55 УРВВ)

・R-3 短距離空対空ミサイル(Р-3 УРВВ)

・9K31 ストレラ-1 近距離防空ミサイル(9К31 Стрела-1)

・9M14 マリュートカ対戦車ミサイル(9М14 Малютка)

・9M17P ファラーンガ-M対戦車ミサイル(9М17П Фаланга-М)

・ドロップタンク(ПТБ)

―その他―

・KPVT車載重機関銃(КПВТ)

・9M111 ファゴット対戦車ミサイル(9М111 Фагот)

●UVZ/MiG MG-68"ミーティエリ"(УВЗ/МиГ МГ-68《Метель》)

　MG-65の後継機。機体名は「猛吹雪(Blizzard)」を意味する。

　性能は大幅に向上しているが、整備性に関しては悪化している。その為、現場の魔導師達から本機の供給を断る声が少なくない。T-64と共に「新機軸が信頼性を損なう代表例」として後世にも語り継がれている。

　BSTOコードは「ウェッジ/Wedge」(楔の意)。

<性能諸元>

・頭頂高:8.63m

・主翼全幅:9.63m

・空虚重量:15.85t(本体重量:12.64t 飛翔装備:3.21t)

・最大離陸重量:19.4t

・発動機:クリーモフ GD-R34(Климов ГД-Р34)

・エンジンノズル数:4

・滑走時最高速度:時速76km

・滑走･アフタバーナー時最高速度:時速146km

・飛翔時最高速度:時速251km

・航続距離:442km(増槽搭載で20km×2追加)

・主翼ハードポイント数:4(荷重総量:2.45t)

・装甲:均質圧延鋼装甲及び鋳造装甲、ジュラルミン材(飛翔装備)

・乗員:一名

<固定武装>

・多目的発射機(マルチ･ディスチャージャー/Мульти Разрядник)

<携行武装>

―手持ち式―

・6M1MGマチェット(6М1МГ)

・6M2MGマチェット(6М2МГ)

・PPNR-23MG(ППНР-23МГ)

・PPGSh-23MG(ППГШ-23МГ)

・AN-37MG(АН-37МГ)

・S-60MG 57mm機関砲(С-60МГ)

・M-46MG 130mmカノン砲(М-46МГ 130-мм пушка)

―主翼兵装―

・S-5 55mm空対地ロケット弾(С-5 НАР)及び同ロケット弾用各ランチャー

・S-24 ブラン 無誘導ロケット弾(С-24 Буран)

・K-55 短距離空対空ミサイル(К-55 УРВВ)

・R-3 短距離空対空ミサイル(Р-3 УРВВ)

・9K31 ストレラ-1 近距離防空ミサイル(9К31 Стрела-1)

・9M14 マリュートカ対戦車ミサイル(9М14 Малютка)

・9M17P ファラーンガ-M対戦車ミサイル(9М17П Фаланга-М)

・ドロップタンク(ПТБ)

―その他―

・KPVT車載重機関銃(КПВТ)

・9M111 ファゴット対戦車ミサイル(9М111 Фагот)

●Yak/VTZ PMG-2"ディムカ"(Як/ВТЗ ПМГ-2《Дымка》)

　ヤコブレフ設計局とヴォルゴグラード･トラクター工場協同開発の魔導機人。機体名は「霞」を意味する。

　要撃･局地戦闘等をメインとしている(PMGは要撃型魔導機人を指す)。MG-65やMG-68と比較すると、装甲車両やヘリに近い形状をしており、防御性も劣っている。反面、機動力では勝っている。頭部が無く胴体と完全に一体化しており、搭乗者は頭替わりのグラスキャノピーから視界を確保する。頭部が無いという設計で言うと、フランソワのSA219 オヴテールに近い。また、他のルーシー連邦製魔導機人共通の両脇腹の兵装用ハードポイントが存在しない。

　BSTOコードは「ワゴン/Wagon」。

<性能諸元>

・頭頂高:8.38m

・主翼全幅:10.35m

・空虚重量:8t

・最大離陸重量:11.1t

・発動機:ソユーズ GD-S10(Союз ГД-С10)

・エンジンノズル数:2

・滑走時最高速度:時速89km

・滑走･アフタバーナー時最高速度:時速172km

・飛翔時最高速度:時速288km

・航続距離:473km(増槽搭載で26km×2追加)

・主翼ハードポイント数:4(荷重総量:2.06t)

・装甲:ジュラルミン材及びアルミニウム合金材、ガラス繊維強化プラスチック、チタン合金材(操縦席付近のみ)

・乗員:一名

<固定武装>

・UBKベレージン12.7mm翼内装備型航空機関銃)×2門

　両鎖骨辺りに1門ずつ装備した航空機関銃。使用弾薬は12.7mm×108弾。発射速度は約800から1050発/分。装弾数は片方210発。対人掃射や迎撃には有効だが、装甲兵器相手には火力不足が否めない。また、射角が真正面だけという欠点も有る。

・多目的発射機(マルチ･ディスチャージャー/Мульти Разрядник)

<携行武装>

―手持ち式―

・6M2MGマチェット(6М2МГ)

・PPNR-23MG(ППНР-23МГ)

・PPGSh-23MG(ППГШ-23МГ)

・AN-37MG(АН-37МГ)

―主翼兵装―

・S-5 55mm空対地ロケット弾(С-5 НАР)及び同ロケット弾用各ランチャー

・S-24 ブラン 無誘導ロケット弾(С-24 Буран)

・K-55 短距離空対空ミサイル(К-55 УРВВ)

・9K31 ストレラ-1 近距離防空ミサイル(9К31 Стрела-1)

・9M14 マリュートカ対戦車ミサイル(9М14 Малютка)

・9M17P ファラーンガ-M対戦車ミサイル(9М17П Фаланга-М)

・ドロップタンク(ПТБ)

●OKB-729 オブイェークト461"ストラッシュ"(ОКБ-729 Объект461《Страж》)

　ルーシー連邦の試作型魔導機人。機体名は「守護者」を意味する。

　MG-68を原型機として、エレーナ専用機として開発された。基本設計はそのままだが、新技術の実験機も兼ねて新設計の試作品が惜しみなく使われている。逸脱した高性能を誇る反面、整備性･操縦性･稼働時間に難が在り、著しく安定性を欠く。

　深紅を基調としたカラーリングとその戦果から、連邦軍では「血まみれの魔女(クラヴァービヤ･ビーディマ/Кровавая ведьма)」として、人民軍では「紅鬼(ふぉん ぐぇい)」として恐れられている。ただし搭乗者であるエレーナに関して不明な為、機体自体が登録魔導師(ネームド)として扱われている。本編開始前にも、前段階であるオブイェークト427「ファミリア」の後を継ぐ形で、68年に3か月間ザンゼイ戦争に投入されている。

　BSTOコードは「ウォウフル/Woeful」(悲惨の形容詞)。

<性能諸元>

・頭頂高:8.63m

・全高:9.23m

・主翼全幅:15.71m

・空虚重量:18.08t(本体重量:13.95t 飛翔装備:4.13t)

・最大離陸重量:22.65t

・発動機:クリーモフ GD-R42(Климов ГД-Р42)&ペルミ SD-404(Пермский СД-404)

・エンジンノズル数:3

・滑走時最高速度:時速94km

・滑走･アフタバーナー時最高速度:時速185km

・飛翔時最高速度:時速299km

・航続距離:418km(増槽搭載で34km×2追加)

・主翼ハードポイント数:4(荷重総量:3.87t)

・装甲:均質圧延鋼装甲及び鋳造装甲、ジュラルミン材(飛翔装備)、チタン合金セラミック複合装甲(操縦席付近のみ)

・乗員:一名

<固定武装>

・2B2R-12 140mm多連装ロケット砲(2Б2Р-12)

　所謂「カチューシャ」自走式多連装ロケット砲の流れを汲む、車載用のBM-14 140mm多連装ロケット砲の発射機を転用した物。バックパック上部右側に搭載されている。これ自体は大して特殊な兵器ではなく、単にストラッシュ用に1列減らした軽量の発射機を用意したに過ぎない。主に地対地制圧を目的としており、精度は求められていない。

　射程距離は10km、弾頭重量は8kg。一般的な破砕性弾頭以外にも化学兵器を充填した弾頭を発射可能。装弾数は3×4の計12発。

・多目的発射機(マルチ･ディスチャージャー/Мульти Разрядник)

・専用レーダー(型式不明)

　RPU-14-12のカウンターウェイトの如くバックパック上部左側に搭載されている白い円盤状のレーダー。具体的な機能は不明だが、ストラッシュはこれにより通常の倍以上の索敵範囲を持つ。

<携行武装>

―手持ち式―

・SB-64MG パイル･バンカー"ベルスィエルク"(СБ=Свайный Бункер 64МГ《Берсерк》)

　左腕に装備した、炸薬式の接近戦用杭打機。

　防殻術式の突破と、確実な目標への命中を目的として開発され、如何なる装甲も貫徹する。その分、一回の出撃で使用は6発までである。ただし、エレーナがこの武装を使用する事自体は極めて稀である。

・Mk-84MG ソード･ウィップ"ギャリエント"(Мк=Меч кнут 84МГ《Галиент》)

　左腰部にマウントする、専用の特殊蛇腹剣。普段は多数の刃が数珠状に繋がれた鞭の様な形状だが、繋いでいるワイヤーを巻き上げる事で全ての刃が接続し一本の剣と成る。剣と鞭の状態を使い分ける事で相手との間合いを全て自分の方へと持ち込む。

・6M2MGマチェット(6М2МГ)

　予備。

・ZiS-76MG 76mmカノンライフル(ЗИС-75МГ)

　専用の小銃型76㎜砲。ZiS-3 76mm野砲を流用しているが、海軍のAK-725 57mm連装砲及びその後継として研究中の76mm単装速射砲(AK-176)の設計を流用した自動装填機構を採用している。

　発射速度は最大毎分120発だが、装弾数は5+1発のみ。

・AN-37MG(АН-37МГ/ヌーデルマン N-37航空機関砲流用)

・AO-19MG(АО-19МГ/ТКБ-613/ГШ-6-23)

・S-60MG 57mm機関砲(С-60МГ)

・M-46MG 130mmカノン砲(М-46МГ 130-мм пушка)

・AGS-17MG プラミヤ(АГС-17МГ Пламя)

―主翼兵装―

・S-5 55mm空対地ロケット弾(С-5 НАР)及び同ロケット弾用各ランチャー

・S-24 ブラン 無誘導ロケット弾(С-24 Буран)

・K-55 短距離空対空ミサイル(К-55 УРВВ)

・R-3 短距離空対空ミサイル(Р-3 УРВВ)

・9K31 ストレラ-1 近距離防空ミサイル(9К31 Стрела-1)

・9M14 マリュートカ対戦車ミサイル(9М14 Малютка)

・9M17P ファラーンガ-M対戦車ミサイル(9М17П Фаланга-М)

・ドロップタンク(ПТБ)

―その他―

・YakB-12.7(ЯкБ-12,7)

　左脇腹に装着した外付け式の4銃身ガトリング砲。Mi-24A/ハインドAの改良型(Mi-24D/ハインドD)に搭載する目的で開発されていた物を試験的に転用している。

　使用弾薬は12.7x108㎜弾、発射速度は毎分4千発から5千発。装弾数は735発。

・9M111 ファゴット対戦車ミサイル(9М111 Фагот)

　右脇腹に装着。

●OKB‐729 オブイェークト427"ファミリア"(ОКБ-729 Объект427《Фамильяр》)

　ストラッシュの前段階として開発された試作型魔導機人。機体名は「使い魔」を意味する。

　こちらはMG-65Aを原型とした機体で、深紅を基調とした配色を含め改造点についてはストラッシュと同様であり、解体された本機の部品はストラッシュに受け継がれている。

　本編には登場しないが、本編開始前の67年から68年初めに掛けてザンゼイ戦争に投入されており、南ザンゼイ軍及びクリスチナ軍と交戦している。その際に「血まみれの魔女/Bloody Witch」としてネームド扱いされている。登録された固有魔力波長はストラッシュと同一である。

　BSTOコードは「ウィッカ/Wicca」(魔女宗の事)。

　詳細なスペックは未定。

<ルーシー連邦軍魔導機人用共通武装>

　手持ち式や主翼のパイロン等、幾つかの兵装は共用が可能である。

―手持ち式―

・6M1MGマチェット(6М1МГ)

　イジェフスク造兵廠設計、ズラトウースト製の魔動機人サイズの接近戦用マチェット･ナイフ。これに限らず魔動機人用の刃物は魔導刃化が可能であり、必要な時にだけ切断力を向上させる事が可能である。

　因みにマチェットは中南米生まれで、別にロシアの伝統的な刃物ではない。

・6M2MGマチェット(6М2МГ)

　6M1MGマチェットの小型版。

・PPNR-23MG(ППНР-23МГ/NR-23航空機関砲流用)

　軽量な手持ち式の短機関銃型機関砲。使用砲弾は23㎜×115弾。発射速度は毎分800発。装弾数は60発で、予備として更に240発を携行可能。

・PPGSh-23MG(ППГШ-23МГ/GSh-23複砲身航空機関砲)

　ガスト式と呼ばれる、一対の機関砲を交互に動作させる駆動方式を取り入れている。使用弾薬は23mm×115弾。発射速度は毎分3400から3600発。装弾数は200発で、予備として更に200発携行可能。

・AN-37MG(АН-37МГ/ヌーデルマン N-37航空機関砲流用)

　巨大な手持ち式突撃銃型機関砲。使用砲弾は37㎜×155弾。発射速度毎分400発。装弾数は50発で、予備として更に150発を携行可能。

・AO-19MG(АО-19МГ/ТКБ-613/ГШ-6-23)

　後にGSh-6-23として採用されるガトリング砲の試作品を、魔導機人用として転用した物。使用砲弾は23㎜×115弾。発射速度は、最大で毎分9千発から1万発だが、260発の弾丸をわずか2秒以下で撃ちつくしてしまう。

・S-60MG 57㎜機関砲(С-60МГ)

　巨大な手持ち式の小銃型野砲。S-60 57㎜対空機関砲を流用している。本来は地対空機関砲だが、専ら地対地狙撃等に使われる。使用砲弾は57㎜×348SR弾で装弾数は4発(クリップ式)。有効射程は4～6km。

・M-46MG 130㎜カノン砲(М-46МГ 130-мм пушка)

　魔導機人単機で運用可能としたカノン砲。移動しながらの砲撃は、当たらない上に転倒による機体破損等の危険性も有る為、静止した状態での砲撃しか行えない。最大射程は27,150m。

・AGS-17MG プラミヤ(АГС-17МГ Пламя)

　試作段階の自動擲弾銃を転用した物。火力に対してコンパクトかつ軽量な拳銃サイズに収まっている。

　使用弾薬は30x29mm、装弾数は29発(金属リング付き円筒弾倉を使用)。

―主翼兵装―

・S-5 55mm空対地ロケット弾(С-5 НАР:Неуправляемая авиационная ракета)

　航空機搭載型の対地攻撃用ロケット弾。東側諸国の標準的な航空ロケット弾である。弾頭や信管にもよるが、概ね射程は3～4km。

　以下、各種運搬用発射器。

≫ORO-57K:搭載数8発。空虚重量33kg、満載重量64kg。

≫UB-16-57UMP:搭載数16発。空虚重量57kg、満載重量138kg。

≫UB-32:搭載数32発。空虚重量103kg、満載重量264kg。

・S-24 ブラン 無誘導ロケット弾(С-24 Буран)

　航空機用の無誘導空対地ロケット弾。ロケット弾ポッドは使用せず、パイロンから直接放たれる。

　弾頭重量は123kg、射程は2km。

・カリーニングラードK-55 照準線ビームライディング誘導式空対空ミサイル(Калининград К-55 УРВВ/AA-1 アルカリ)

　ルーシー連邦のカリーニングラードK-5型照準線ビームライディング誘導式空対空ミサイルの改良型。ビームライディングとは初期のミサイル誘導方式であり、発射した側が目標を光線で捕捉し続けながら誘導する方式である。ただし、搭乗する魔導師/機師による遠隔誘導術式の併用で、ある程度は誘導性能を強化できる。

　有効範囲は2～6km、弾頭重量は13kg。

・R-3 短距離空対空ミサイル(Р-3 УРВВ/AA-2 アトール)

　高麗戦争で大秦華人民軍が回収した西側のAIM-9サイドワインダーの不発弾を、解体研究して模倣した物。北ザンゼイ軍を始めとする各東側諸国にも有償供与されている。現行型はセミアクティブ方式のR-3Rで、更に性能向上型のK-13Mの開発も進んでいる。

　有効射程は2から8km、破片効果弾頭重量は11.3kg。

・9K31 ストレラ-1 近距離防空ミサイル(9К31 Стрела-1/SA-9 ガスキン)

　本来は車載式の近距離防空ミサイル･システムであり、携行式防空ミサイルである9K32 ストレラ-2とは姉妹品にあたる。

　有効射程は6.5km、射高は3.5km、HE破片効果弾頭重量は2.6kg。

・9M14 マリュートカ対戦車ミサイル(9М14 Малютка/AT-3 サガー)

　小型の有線誘導式対戦車ミサイル。歩兵戦闘車やヘリに搭載できる。本来はジョイスティックで操作しながら目標に向けて誘導するが、魔導機人に搭載する物は術式によって思念波を使い、手放しで操作できる(つまりファ○ネル･ミサイル)。

・9M17P ファラーンガ-M対戦車ミサイル(9М17П Фаланга-М/AT-2 スワロウ)

　車載･機載兼用の対戦車ミサイル。BRDMシリーズ偵察戦闘車やMi-24ハインド戦闘ヘリ等に搭載できる。

・ドロップタンク(ПТБ:Подвесной топливный бак)

　飛翔装備用の追加燃料タンク。

―その他―

・KPVT車載重機関銃(КПВТ)

　大口径の重機関銃。歩兵用としては姿を消したものの、ZPUシリーズ等の対空機関砲としても転用されている。

　ルーシー製魔動機人では両脇腹に装着可能。主に対人･対物･軽装甲車両相手に使われる。

　使用弾薬は14.5x114mm弾、装弾数は500発。

・9M111 ファゴット対戦車ミサイル(9М111 Фагот/AT-4 スピガット)

　トゥーラ機械設計局で1962年から開発中の対戦車ミサイルを、試験的に魔導機人用に転用した物。9M111自体はミサイル弾体の事であり、魔導機人用に発射機である9P135を二連装にした物が用意された。両脇腹に装着可能。

　作動は半自動指令照準線一致誘導方式(SACLOS)、射程は70mから2500m、弾頭の貫徹力はRHA換算で400mmもしくは60度の傾斜装甲に対して200mm。

・多目的発射機(マルチ･ディスチャージャー/Мульти Разрядник)

　煙幕弾、閃光弾、照明弾、信号弾等を発射する。

<演算宝珠>

●ZEK-5(ЗЕК-5)

　OKB-729で開発された試作型演算宝珠。内蔵宝珠核は驚異の5基。性能も尋常ではなく、思念波だけで遠方に居る対象を殺害したり、魔導具抜きで物体浮遊が行える。その分扱い辛さも比例し、エレーナ以外に使える魔導師は存在せず、彼女専用と成っている。