謎に満ちた乳児誘拐事件と自己の出自とを巡る奇妙な冒険

主人公・戸田マヨは生後六ヶ月の頃、美しい女のミイラに抱かれて男から女となった。またその日に父は何者かに襲われ命を落とし、母は姿を消した。それ以来マヨは不思議な能力を獲得し、東大法学部1類をトップ入学、そしてトップで卒業。その後国家公務員試験一種、国家総合職にトップで合格。現在は警察庁特殊事件捜査課、管理官、警視の役職についている。また超人的な能力も持っており、異常に第六感が働く。
そんな能力を買われ、特殊事件捜査の担当になったマヨは、連続した乳児誘拐の捜査を通じて、過去に自分と家族の身に起きた出来事に係る謎を解明していく。謎に迫るにつれ、不思議な力を持った金の首飾りと隕鉄の斧といったアイテムや、死神や蝋人形の怪人らの奇怪な登場人物たちがマヨの前に現れる。
そして物語の後半では、連続した乳児誘拐事件がマヨ自身の過去に起きた事件と重なり合い、物語は大きなうねりとなって読者に襲いかかる。
果たしてマヨは無事に誘拐された子供を取り返すことができるのだろうか? そしてマヨ自身は、この物語の最終ページで何を得て、何を失い、どのような結論に到達するのだろうか?

天才的な想像力による前人未到のストーリーを随一の筆力が克明に描き切る。その深く重厚で独特な世界に、ぜひ入り込んでみていただきたい。

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