『BARツナ缶』に一歩踏み込むところから始まると、もうグラス・ラフトの住人であり、彼らを傍観し見守る一員です。
深い群青色をしたこの物語の世界観は冷たく、残酷で、儚く、哀しさに顔を背けつつうつり変わってゆきます。
しかし、彼らは『ツナ缶』で飲み交わし、笑い合い、優しく温かく想い合って、幸せを構築することができるのです。
ヒトとテンシの垣根を越えた、もはやヒトなのかテンシなのかの判断など『ツナ缶』に居るとわからなくなる。それほど、彼らの幸せを存分に眺めることができます。
悲愴を負いながら彼らがどう生きてゆくのか、規格外や『済んだ』命を『仕事』と割り切り鉛弾で奪い続けるか──。
今後の展開も期待大。
各話のボリュームも短めでリズミカルなので、あっという間に進んでしまう物語です。
さぁ、『ツナ缶』の扉はすぐそこにあります。
グラス・ラフトはヒトにとっては寒いところなので、中で暖まってはいかがですか。