. . . holic

望月結友

1st. 昨日、君がくれた霧雨をたべる。

 昨日、君がくれた霧雨をたべる。

 この居心地のいい場所のあちこちにたまった雫たちは、きらきらしてとても綺麗で、映しだされた君の姿を、つい何度もたしかめてしまう。

 ゆっくりとあじわう。昨日の君のやさしい言葉や素敵な笑顔を、どれひとつ無駄にしないように。じんわりと心の隅々まで染みわたったそれらが、あふれる程の幸せにかわってみたされていく喜びを感じて。

 君だけをみてる。君がくれたこの透明な檻の中から。

 君の声しかきかない。君がいない時は背中の殻に閉じこもって。

 そしてお腹がすいたときは、君がくれた霧雨をたべる。ただひとり、君をおもいながら。

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