拝啓 晴れた日には新春らしい冴えた空が広がりますね。皆さま如何お過ごしでしょうか。
さて、十月の終わりから連載させていただいていた『kalaviṅka』ですが、一月十二日を持って無事に擱筆することができました。「デジタルデータは愛を表現するか」というテーマで描いた幾つかの愛情の在り方が、少しでも皆さまの心に響けたようでしたら幸甚です。
以前にもお話ししたことがありますが、物語を紡ぐという行為は、暗闇の中で誰かに呼びかけるのに似ています。
何処に向かって、どんな風にして、一体何を伝えるのか。手探りで見当をつけて声を発してみる。人はいたのか、通じたのか、理解してもらえたのか。その結果が分かることは稀有です。遣り方が良くなかったのではないか、自分には無理だったのではないか、そもそもただの徒労ではないのか、常にそんな疑懼がすぐ側にあります。
けれどもそんな中で、良いとは言えない私の声に気づいて耳を傾けてくださったり、そればかりか返事までしてくださったりする皆さまに出会えたのは、本当に幸運で幸せなことなのだと感じています。私の物語を読んでくださって、本当にありがとうございました。皆さまのお陰で、こうして物語を紡ぎつづけることができています。
現在、『kalaviṅka』を第3回カクヨムweb小説コンテストに応募しています。
数々の素敵な作品と同じ場所に拙作が並んでいるというだけでも名誉なことなのですが、頂いた評価次第では、最終選考に残るという奇跡が起こる可能性も、全くないとは言いきれません。
差しでがましいお願いなのは重々承知の上で申しあげます。もし私の拙い物語が、皆さまの心に少しでも心に響けたようでしたら、一月末までの読者選考の期間中に評価を頂けないでしょうか。
評価とは本来、よいお話に集まるものなのですが、こうしてお願いしなければならないのは、私の至らなさです。自然に評価をいただけるようなよい物語を紡いでいけるよう、より一層励んでまいります。
冷え込みが本格的になる季節です。風邪など召されませぬようご自愛くださいませ。ではまた、物語のなかでお会いいたしましょう。 敬具
一月十二日
望月結友