第226話 『ドラゴンどんぶらこ』プロット実況 リスタート①


 二年前のドラゴンノベルスの企画で「ファンタジー×○○○」で書いてくださいみたいな募集があり、そこで思いついたのが「ファンタジー×戦闘機」でした。そこからスタートしたアイディアで10万文字以上書いて、それで前回のカクヨムコンに参加しようと思ったのですが、途中で「これではダメだ」と気づいてストップ。カクヨムコンには別作品で参加し、新しいやり方で書いたのが『ピーチ+1』。

 そして、その新しいやり方で、今度は『ドラゴンどんぶらこ』を書き直そうと考えています。


 もともとの話はこう。


 マクハーリア王国のイケメン王子ノーテンハルト・マクハーリアは、実は養子。そのため王位継承権を剥奪され、領土なき戦闘国家に婿に出されてしまう。

 いっぽうマクハーリア王国は、妹のユヅリモーネが継ぐことになるのだが、そこへブルーアース帝国が侵攻し、マクハーリア王は殺害され、王国は奪われてしまう。

 その王国を、戦闘国家ライドボム王家に婿に出されたノーテンハルト・ライドボムが奪還する。


 そんな話です。


 世界観の設定としては、このファンタジーな世界は遥か未来の地球で、エルフだのドワーフだのは人造人間、精霊は人工知能。高度に自動化されたためにファンタジー世界みたいになっているというものでした。そうしないと戦闘機が出てこないから。



 さて、上記の『ドラゴンどんぶらこ』ですが、どこに問題があるか分かるでしょうか?

 たぶん分からないと思います。ぼくにも分かりません。というか、問題ないと思います(笑)


 問題があるのは、そこではありません。問題があったのは、小説の設定とプロットではなく、そもそもの創作姿勢です。

 小説とはすなわち、読者に「面白さ」、「楽しさ」を与えるための方便であり、小説を書くこと自体を目的にしていては、少なくとも「面白い」小説は書けない。

 大事なのは、読者にどのような「面白さ」を与えるか?であると。


 そう気づき、最初から話を書き換えました。


 ファンタジー世界で戦闘機が出てくる物語だとして、どんな話にすれば読者は楽しめるだろうか?と。

 そこを基準に世界観も設定も考えていなければならない。そして、主人公はその世界観、設定が生み出す面白そうな物語が要求すべきものにしなければならない。



 今回はこうしました。

 もうずいぶん昔、ぼくが本屋でバイトしていた頃の仲間のひと言です。

 当時はスーパーファミコンの『三国志』シリーズが流行っていました。彼はそのときゲームはしていなかったようですが、やったことはあったみたいです。そして、こう言いました。


「あの時代に生きていたら、めちゃくちゃ好き勝手やり放題だったぜ!」


 いや、実際にあの時代に生きていたら、かなり生活には制約があって、絶対現代日本の方が自由で気ままで安全だと思うけれど……。

 でも、もしかしたら、ゲームとか時代劇とか、今ではない、ここではない何処か、別の時代への憧れって、そういうもんかも知れないですね。今より自由で制約なく、好き勝手に生きられる時代。……実際は逆だろうけれど。


 そういう世界に憧れる気持ちは分かります。だったら、そういう時代の物語を、アミューズメントとして作り出そう。


 『三国志』みたいな、自由な世界。そこで主人公が乗るのは、これまた自由に空を飛べる戦闘機。そういう物語を書こう。


 そして、物語の設定と主人公の名前を変えました。


 遠い未来の物語なのですが、主人公を現代世界から長期間コールドスリープさせた設定にして、地球も、異星人が作り変えてしまったことに変更。現代人の主人公は、異星人に作り替えられてしまったファンタジーの世界で目覚めます。が、主人公は現代人としての知識と経験でファンタジー世界の士官学校で頭角を現す。

 というのが第1章。


 この第1章が、4行で記述された戦略プロットの1行目になります。


 主人公の名前も、ちょっとコミカルな響きのノーテンハルト・ライドボムから、ブライト・ノーテンハルトに変更して、少しだけコミカルさを軽減させました。話のテイストを、ちょっとシリアスにするためです。

 印象としては、『ルパン三世』のパート2からパート1へ変化させた程度ですが。


 世界観も大きく変えたし、ストーリーも変更しました。


① トップガンみたいな士官学校で頭角を現す主人公は、決闘を申し込まれる。


➁ 敵国の侵略を受け、スラム街へ逃亡する。


➂ そこで世界の真実、すなわち異星人の目的を知る。


④ 自分は自由に生きることを選択し、侵略された国を奪い返す


 この④で重要なことは、自分の国を奪い返す目的が、遊び半分であること。自由に生きるのだから、国家奪還の義務はないし、責任もない。でも、面白そうだから、いっちょやってみるか、というスタンス。それが新しい主人公ブライト・ノーテンハルトです。



 そういった物語にする予定です。



 このあと、プロット実況が続くかどうかは分かりません。ここまで出来ていると、大きな変更はない気がするんです。が、このあと、色々と肉付けする必要はありますね。




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