少年たちの冒険活劇

少年達は使命のため、砂漠を旅する。
そのうちで目にする大人のこと、世の中のこと、そして様々な困難。

狼のようなギョクハンと、猫のようなファルザードはいいコンビで、二人で力を合わせて苦難を乗り越えてゆく。

その姿に胸打たれるのは勿論のこと、しばしば挟まれるアラブ世界の通俗や言葉などにも目を惹かれます。

二人の少年に強くスポットを当てた冒険活劇。レビュータイトルの通り、そんな印象を受けます。
とても前向きで、ひたむきで、そして清く、生きる喜びに溢れている。

ラストを迎えた今、私の目にも見えているように思います。
砂漠にずかずかと刻まれたギョクハンの、それを追うようにちらちらと刻まれたファルザードの足跡が、どこに向かって続いてゆくのか。

主題を難解な言語や小手先の専門用語での修飾で覆い隠すことのない、目が洗われるほどに素敵な作品です。
この作品は、きっと作者様が、読者に、そして己自身に、ギョクハンやファルザードのようにひたむきに、まっすぐに向き合った結果生まれたものなのでしょうと想像します。

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