「ふたり」の知恵と勇気で、砂漠の旅を乗り越えろ!

包囲された城で、十五歳のギョクハンと十四歳のファルザードは、≪勇敢なる月≫の異名を持つ女主人ザイナブから手紙を託されます。

皇帝に会い、その手紙を渡し、援軍を呼んでくるように、と。

そのとき、ザイナブは言います。「ふたり、仲良く」と。
ふたりで、この密命を成功させなさい、と。

奴隷軍人であるギョクハンと、酒姫であり頭脳明晰なファルザードは、年こそ近いけれど、まるで正反対な気質の持ち主。
出会った当初からもう……。
気が合わない。そりが合わない。気に喰わない。

だけど。
「ザイナブが大好きで、尊敬している」ということは共通していました。
仕方ない。
ザイナブさまの為に。
ザイナブさまと、城の皆、街の皆の為に。

そう思い込んで行動をするふたり。
そのふたりは。
一緒に旅をしていくなかで、気持ちが変化していきます。

互いが育ってきた環境や、思い描く未来。過去の境遇や現在の状況。
そんなことに気づきながら、ザイナブの言うとおり「ふたり」で使命に携わっていきながら、「世界」の広さと、多様な「価値観」に出会います。

さて。
二人は無事、援軍を呼ぶことができるのか。
ザイナブから言われた通り、「仲良く」できるのか。

物語は今日、完結いたしました。
ふたりの結末は、ご自身でご確認を。
(※ものっすごいハッピーエンドです)

このおはなし。

一話一話が読みやすく、また、難しい語彙には振り仮名や注釈がさりげなくなされています。
「異世界ファンタジーは好きでも……。アラブ系の話かぁ」
という、心配は無用。全く、無用。

いける。読める。楽しめる。

個人的には。
この作品。
中・高校生に読んでほしいなぁ。

ギョクとファルの旅に一緒に同行してほしい。
そしていろんなことを追体験してほしい。

そんな風に思った物語でした。

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