文芸誌に載っていてもおかしくないクオリティ。

まず、読んで思うのは「すばる」とか「文藝」に載っていそうってことでした。
舞城王太郎とか川上弘美とかが書いていそうなテーマだな、と。
もしくは、初期の小川洋子とか本谷有希子の短編集にもありそうで、著者の読書遍歴が読みながら気になりました。笑

骨を抜かれた男、という突拍子のない設定を不自然なく表現できる地に足のついた文章は見事の一言です。
更に、骨を抜かれるという意味についての考察が本文でしっかりと成されていて、とくに骨を抜いた女性の語りは不思議な世界観をリアルにする力がありました。

「骨抜き男」を見つめる冷ややかな潔癖女も、彼と関わることで徐々に骨を柔らかくさせていった結果のラストシーンだと考えると見事でした。

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