この物語そのものが、伝説のライブ

物語の構造に気づいた瞬間、呆然としました。
なんて素晴らしいセトリなのだろう、と。

群像劇という形で進んでいく中で、少年少女たちが悩んではぶつかって、時にはすれ違って。
章としての一曲一曲には意味があり、そこに含まれた思い出や決意は、ものすごい熱量でこちらを巻き込んできます。泣いたり、笑ったり、登場人物の想いが、何度も私の感情を揺さぶってくるのです。それはもう遠慮なく。まさに、伝説のライブ。

読了後の高揚感や余韻が心地よくて、しばらくぼーっとしてしまいました。忘れてしまっていたけれど、私にもこんなきらきらした時間があったな、と。
そのことを思い出させてくれたこの物語に、作者様に、感謝いたします。この気持ちを皆さんにも共有したく、レビューという形で残させていただきました。本当におすすめです。