《繋がる》意識とすれ違う心、果てなき宇宙で人の絆を求めるスペースオペラ

遥かな銀河系に渡る人類の歴史を、生身の人間の苦悩や葛藤を描くことで紐解く、壮大なスケールのSF作品です。

この物語で特徴的なのが、精神感応で《繋がる》人々の存在です。
星から星へと移住を繰り返す人類に与えられた能力。
思考、思想、感情をも他者と共有することで、大いなる意思の集合体に組み込まれます。
その一方、曖昧となる《個》としての自分。やがて、どこまでが自分でどこからが他者なのか分からなくなっていく——

人間の心理の動きに重きを置いた物語の展開で、思わず主人公たちに感情移入してしまいます。
未来のテクノロジーや複雑化した政治情勢など、整然とした巧みな文章で綴られる精緻な世界観が、お話に果てのない奥行きを与えています。

誰かと真の意味で繋がりたくとも、彼らを取り巻く状況がそれを許さない。
繋がっているはずの彼らの人生を追う中で、何度も心が千切れそうな想いがしました。

物語は現在第三部。
これまでも楽しく拝読してきましたが、私はこの第三部の登場人物たちが本当に好きです。
これからも、更新を楽しみにしています!

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