6. エピローグ

現在、遺跡周辺には大小様々な集落が点在している。暮らしているのは、過去の大災害を生き延びた者達の末裔である。彼らはもう月を崇めてはいない。しかし、生涯を捧げて人々のために祈った巫女達のことは、数千年の時を越えた今も語り継がれている。

今日、塔の頂で発見された少女のミイラが、街の中心に造られた霊廟に安置される。存在意義を喪い、打ち捨てられた神殿に取り残され、たった独りで眠りに就いた少女は今、ようやく人々の元に帰ることが出来るのだ。

花で飾られた柩が目抜き通りを進む。沿道には人々が溢れ、花吹雪が舞い、皆が歌を歌って彼女を出迎えていた。もう、誰憚ることなく歌っても良いのだと。

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【背景シナリオ】山のあなたにも花は咲く-学術パート 一譲 計 @HakaruIchijo

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