電車に、殺されたること(2019.5.4)
ぷしゅう、とため息をつくようにゆるゆると停車した電車の揺れで、目が覚めました。
もうすぐ会社に着きます。
いつの間にか、うたた寝していたようです。春ののんびりとした陽気と、電車の心地よいリズムの揺れが、眠気を誘うのでしょう。
なにか夢を見ていた気がしますが、よく、覚えていません。
「知多~。知多です」
車内アナウンスが、会社の最寄り駅を告げました。降りなければなりません。
アラームもかけていないのに、寄り駅でしっかりと目覚める自分の無意識に、私はいつも、感謝しっぱなしです。
扉が開きます。
腰を上げ、通勤カバンを肩にかけました。
あくびを噛み殺しながら、扉に足をかけた、その時――
「あっ」
寝ぼけた足取りで、足をひっかけてしまったのでしょう。電車と線路の間に落ちるように――隙間に、足を挟み込まれてしまったのです!
そのまま、胴のあたりまで滑って――
周りの乗客が声を上げるより先に、何も知らない車掌は扉を閉め――
無情にも、電車は動き出し――
ああ、私の身体が――おぞましい音をあげ
* * *
ぷしゅう、とため息をつくようにゆるゆると停車した電車の揺れで、目が覚めました。
もうすぐ会社に着きます。
いつの間にか、うたた寝していたようです。春ののんびりとした陽気と、電車の心地よいリズムの揺れが、眠気を誘うのでしょう。
なにか夢を見ていた気がしますが、よく、覚えていません。
「知多~。知多です」
車内アナウンスが、会社の最寄り駅を告げました。降りなければなりません。
アラームもかけていないのに、寄り駅でしっかりと目覚める自分の無意識に、私はいつも、感謝しっぱなしです。
扉が開きます。
腰を上げ、通勤カバンを肩にかけました。
あくびを噛み殺しながら、扉に足をかけた、その時――
ド田舎営業紀行 夏藤涼太 @hondobo
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