そうだ。山科は滋賀と京都を隔てる前線基地なのである。

僕は京都人。
(そして、琵琶湖畔に週の半分は仕事に通っている)

そんな、京都人にとって、水源、琵琶湖は身近なものであるし。
「琵琶湖の水、止めたろか!」という琵琶湖畔からの脅しは、非常に身近なものなのだ。そんな脅しを言われながらもヘラヘラと曖昧な笑みで、滋賀県民に対して優越感を崩さないのが京都人という奴なのだ。すまぬ。

ただ、誰一人、琵琶湖の水を止められる者はなく、また、琵琶湖の水に京都を沈められる者は居なかったのだ……。
しかし、小説の中だと、違ったんだネッ!!

天衣無縫、千変万化!
そのキャッチコピーの「日本よ、琵琶湖に抱かれて沈め!」がその勢いを完全に表している。

ナンセンスにナンセンスは重畳されて、琵琶湖が、滋賀県民が、日本を震撼させる!!!

とにかく、ローカルな人間としては、小ネタから大ネタまで、そのドタバタが堪らなく面白い。
いろいろな地名や、地理的ディティールが、ツボを突いてくる。
頭を空っぽにしながら、楽しむのに、最高の作品と言えるだろう。
ありがとうございました!

もしかしたら、近畿圏じゃない人は、地理的なキーワードの意味がわからずに、僕達ほどは楽しめないことがあるのかもしれないけれど……、

その時は、それはそれ、
ぜひ、「滋賀県民の野望withPK」を片手に、京都・滋賀観光にきておくれやす〜。そして、名所巡りとかしてみてくださいませ〜。

是非、怒涛のラストに向けて、クリックだ!

PS 滋賀・京都観光と書かずに、京都・滋賀観光とサラッと書く辺りが、イヤらしい京都人でした。

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