1.2 女性の願い

 そんな時にもたれ掛かっている柱の真後ろのテーブルから女性の小声が聞こえてきた。

「助けて欲しいの!」

 テーブルのほうを見ると複数の男性が女性を取り囲むようにして座っている。

「どないしたんや?」

 次に聞こえてきたのは、関西弁の男性だ。


「前にも話していた例の奴!あいつのセクハラが止まらないし、ほんとムカつく!」

 小声だった声も気持ちが入っているせいか、柱の裏からはよく聞こえてくる。

「そうだなぁ、そろそろ対策を前向きに考えるか。」

「警察は現行犯でないと取り合ってくれなさそうだし。」

「ならば、例の計画をはやいこと移してしまおう、俺たちの手で。」

「やりますかぁ。」

「いよいよですね!」

 何を企んでいるのか、気になって仕方がない。次の講演者の発表が始まった。

「今夜、いつものチャンネルで、計画についての資料を共有する。あと、今日ここにきてへんメンバーにも俺から伝えておく。」


 暗くてよくは見えないが、男性は5人?はいるようだ。

「私も仲間にして!いい加減、あいつにはうんざりだから、抹殺するためのネタを引き出すのに協力するわ。」

 女性も仲間になりたがっていて、その上でこの人達は本当に何をこれからするのかわからない。滝藤はカシスオレンジを飲み干した。

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