ひとこと紹介の文は、本編で、なぜかすごく心に残った一文です。心を込めて作られた、一本芯の通った玩具にも関わらず、暗い場所に放置された日本人形と、ボロボロに扱われ遊ばれたニックと呼ばれる玩具の、ふしぎで心温まる物語です。私の部屋の、クローゼットに眠るおもちゃも、こんな会話をしているのかな……と思いました。
想いは世界を変える!あなたのお部屋にも眠っていませんか?忘れられたおもちゃ達が。そのまま放っておくと…大変な事になるかもしれませんよ?しかし、このストーリーはそんな一抹の不安を抱えながらも最後まで読むと「なるほど」「ほっこり」な幸せな世界が待っています。読み終わった後、思わず部屋に戻ってぬいぐるみやお人形を抱きしめたくなります。一人称で進むストーリーは追いやすく、自分も玩具になったようなトリップ感覚が味わえる良作です。問題点はこれを読んでしまうと、大掃除が捗らなくなってしまう点でしょうか?(笑)
なるほどな、とふに落ちる話です。見えない者への癒しの物語。このやさしさは本物です。人形たちの聖夜……。外は明るいのかい? 雪、かな?
子どもの頃、大切にしていたモノもいつの間にか記憶から消し去ってしまっていることがあります。ふとしたきっかけで思い出すと「あれ、何で忘れてたんだろう?」と思うことも多々あります。そういったことをふと考えなおす、とても素敵な小説でした。
物語の内容についても釘付けにされるが、読み終えた後又は読んでいる途中で昔の自分が大事にしていた物のことを思い出させてくれる。
子供の頃、遊んでいた人形はどうしたんだったかな? と思いました。転勤族だったので、引っ越しのたびにこっそり捨てられていたような? でも、なかなか捨てられないものですよね。もう遊ばなくなり、段ボールに入れて、押入れの中で忘れられたものは、そのまま記憶からも消え去って……。このお話を読んだら、ちょっと後ろめたい気持ちになりました。ちなみに、早い段階でニックの正体を見抜いて、えっへん!ちょいと威張っております。
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