錆びた鉄骨の上に立って海を見下ろすような、穏やかな不穏

愛嬌のある機械人間たちと、彼らに愛されながら暮らすヒト型クローンの穏やかな日常の裏に透けて見える、想像を絶する大戦の記録。全貌を知りたいと読み進める内に、まだこの美しい雲海の中での停滞した時間を壊したくないと思ってしまう。
古き良きロマンのある崩壊後を丁寧な言葉で描く、機械の武骨さと少女の繊細さが合わさったようなポストアポカリプスSFです。