これぞ、中華ファンタジーの王道!
- ★★★ Excellent!!!
『楊明臣序』と『飄冷光自序』を読み終えて、その仕掛けに、これから面白い物語の世界が待っているのだと、ワクワクした。それで、私は立ち上がり、メモ用紙とペンを用意した。
飄州(ひょうしゅう)と隆州(りゅうしゅう)と書き、その下に、登場人物の名前とその関係を書き込んでいく。5分もかからない作業だ。これからドキドキワクワクの異世界に入っていく準備として、惜しんでなるものか。読みなれない言葉の羅列が続くが、2度3度と読み直す手間も、これまた惜しんではならない。
そのうちに、登場人物の名前とその関係はメモを見なくても理解できるようになるし、読みなれない言葉の羅列が、異世界に流れるここちよいBGMとして感じられるようになる。そうしたら、私も、『碧涙~碧血双傳~』の世界の住人の1人だ。登場人物たちの姿が見えるかのよう、そして、彼らの息遣いが耳元で聴こえるかのよう。
武術に長けるイケメン2人、冷酷な皇帝、妖艶な毒婦、残虐な刺客、天真爛漫な神様。これぞ、中華ファンタジーの王道。中盤からは、あっというまに読み終えた。
二部・三部の完成が楽しみです。