小説概要に『三部作の第一』とありますが、キリの良いところまで読めます!
本作だけで「1つの物語を読み切った!」という満足感を得られました☆
物語の舞台は、市井の人々は権力者に虐げられ、多くの人が今の治世に不満を持つ社会。
冷伯と芝蘭は武勇にすぐれ「武龍の双侠」と人々に呼ばれていた。
あるとき、ふたりは比武大宴という武術の各派を統括する盟主を決める大会に参加した。しかし、官軍が突然あらわれて……
家族の関係や社会的な立ち位置など、登場人物の設定が古代中国らしさにあふれてます。
最近、中国時代ドラマ沼にどっぷりハマってる私としては、嬉しいかぎり!
武侠ドラマにでてきそうなキャラが魅力的なのはもちろんなのですが、神さまにゆかりのあるキャラも登場するのも面白いです。
本格的な中華小説をお探しの人に、とくにオススメ☆
『楊明臣序』と『飄冷光自序』を読み終えて、その仕掛けに、これから面白い物語の世界が待っているのだと、ワクワクした。それで、私は立ち上がり、メモ用紙とペンを用意した。
飄州(ひょうしゅう)と隆州(りゅうしゅう)と書き、その下に、登場人物の名前とその関係を書き込んでいく。5分もかからない作業だ。これからドキドキワクワクの異世界に入っていく準備として、惜しんでなるものか。読みなれない言葉の羅列が続くが、2度3度と読み直す手間も、これまた惜しんではならない。
そのうちに、登場人物の名前とその関係はメモを見なくても理解できるようになるし、読みなれない言葉の羅列が、異世界に流れるここちよいBGMとして感じられるようになる。そうしたら、私も、『碧涙~碧血双傳~』の世界の住人の1人だ。登場人物たちの姿が見えるかのよう、そして、彼らの息遣いが耳元で聴こえるかのよう。
武術に長けるイケメン2人、冷酷な皇帝、妖艶な毒婦、残虐な刺客、天真爛漫な神様。これぞ、中華ファンタジーの王道。中盤からは、あっというまに読み終えた。
二部・三部の完成が楽しみです。