これぞ、オトナの恋愛では?あらすじにも付記されているように、これは「好きな人の子を宿す話」です。では、そこに至るまでに何があったのか。如何にして子種を得たのか。(直接的な表現はありませんが)《《その》》場面において、「彼」が何を思っていたのか。彼の思いを知ったとき、涙せずにはいられないでしょう。「わたしは、好きな人の子を育てることができるのよ。この上ない幸せよ」きっと、彼女なら そう言うのでは?これは、ひとりの女の子が ひとりの女性として 愛を知る物語。
「片思いのあの人を押し倒して、子どもを授かった」という、衝撃のヒロインの告白から始まるこの物語。計算高いのか天然ボケなのかわからない、ヒロインの淡々としてそれでいてあっけらかんとした楽しい語り口調に、読者はどんどんと引き込まれます。そして最後に、ヒロインの体と心を借りての、作者さまの深い<愛>に気づいた時、おおげさではなく私の心は震えました。余談ですが、片思いの相手を振り向かせる、これは指南書かも。ぜひ、お試しあれ。ただし、その結果に、作者さまも私も責任は負えませんが。(笑)