暗い時、笑いは人を救うかもしれません。
- ★★★ Excellent!!!
文悟の持つ体質と、
いとこの輝彦の力。
個性的な面々と、文悟との会話は、
ユーモアにあふれていて*
思わず吹き出します。
進むたびに、繰り広げられる、
思わぬ笑いに、くすりとしながら。
ブンゴやテリーの向き合っているもの。
学校や、社会、人の念や思考。
笑いの中に、見える、戦うべき問題は、
実は根深く、考えさせられるものだと思います。
祓い方もまた、興味深いです。
霊や悪霊ではなく、憑かれた人間に
意識を向けること。
たしかにそうかもしれません。
この物語は、コミカルで、笑いながら
読むものだと思います。
でも、それだけではないと思いました。
宇宙はユーモアを好む。
暗い時、笑いは人を救うかもしれません。
友達のために怒り、祓おうとする文悟。
礼儀や名誉を思うところ。
とっぴな行動をしているようで、
彼の主張や考えは、ある種とても人間的で、
まっとうな部分があります。
人をだまし、策略にまみれた敵と。
自分には、仲間がいるということを。
分かっている文悟。
敵に告げた、彼の力強い言葉が、
胸に染みました。
そんな風に
考えさせられながら、
時折聞こえてくる、尺八の音色に。
想像は入り乱れて*面白いです。