暗い時、笑いは人を救うかもしれません。

文悟の持つ体質と、
いとこの輝彦の力。

個性的な面々と、文悟との会話は、
ユーモアにあふれていて*

思わず吹き出します。


進むたびに、繰り広げられる、
思わぬ笑いに、くすりとしながら。


ブンゴやテリーの向き合っているもの。

学校や、社会、人の念や思考。

笑いの中に、見える、戦うべき問題は、
実は根深く、考えさせられるものだと思います。


祓い方もまた、興味深いです。

霊や悪霊ではなく、憑かれた人間に
意識を向けること。

たしかにそうかもしれません。


この物語は、コミカルで、笑いながら
読むものだと思います。

でも、それだけではないと思いました。


宇宙はユーモアを好む。

暗い時、笑いは人を救うかもしれません。

友達のために怒り、祓おうとする文悟。

礼儀や名誉を思うところ。

とっぴな行動をしているようで、
彼の主張や考えは、ある種とても人間的で、
まっとうな部分があります。

人をだまし、策略にまみれた敵と。

自分には、仲間がいるということを。
分かっている文悟。


敵に告げた、彼の力強い言葉が、
胸に染みました。


そんな風に
考えさせられながら、

時折聞こえてくる、尺八の音色に。

想像は入り乱れて*面白いです。

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