諦め、見捨てて覚悟して…それでも尚奪われる。底が見えない絶望譚

このタイトルに偽り無し、と自身を持ってオススメ出来るのが今回オススメする『底辺奴隷の逆襲譚』の率直な感想でしょうか。

母子家庭の貧乏生活、苛烈な虐めを鋼の意志で耐え抜いて努力と根性で培った学力体力NO1の優等生主人公。
心に願うのは唯一つ……最愛にして唯一の理解者、母親を楽にさせてあげる事。

その優等生ぶりから更に苛烈を極めるイジメだったが、ある日偶然巻き込まれた集団転移により、彼の運命は更に過酷を極める事となる。

『経済、身分、能力を引き継いで異世界人の器へと転生させる』という神の無茶苦茶な集団転移により、能力こそ高いものの、奴隷身分の12歳の少年、エディへと転生してしまった主人公。

彼は結果としてその人生を奪ってしまった彼の変わりに、同じく奴隷として生活を共にする異世界のエディの母を、己の母の様に慕い、そして守る事を決意する。

まずは奴隷からの脱却だ! ここで苦難を乗り越えて直ぐ様奴隷から脱却するのが普通のライトノベル。

ところがどっこい現実です。これが現実……

自殺レベルのイジメすら耐えた鋼の精神を持つ主人公ことエディを待ち受けていたのは、身も心もバッキバキに折られる程の苦難

『生きるのが辛い』等生ぬるく、『死を懇願する』レベルの奴隷生活が待ち受けていた。

一つ諦めて平穏に戻れば更なる苦痛が襲いかかり、一つ見捨てて生に縋り付けば後悔するほどの絶望が押し寄せてくる……

息をつく間も無く押し寄せる不幸の嵐は、昨今のちょっと不幸や逆境を乗り越えた程度で成り上がるリベンジファンタジーでは物足りない皆様を満足させてくれる事間違いなしです!

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