青い月光と優しさが育む、繊細な愛の物語

夢のなかでいずこかへ墜ちたユエ。気づいた場所は岩山で、青く光る水に浸かっていた。彼女をたすけたのは、身体に魔方陣を刻んだ謎の青年カエルレウムと、美女テリエル。聞いたことのない国、風俗でありながら、何故か二重放送風に言語の通じる世界で、ユエは通訳として生きていこうとするが……。
魔法と神様の加護が存在する世界で、人攫いや嫌味な神官らの起こす騒動にまきこまれつつも、自分の居場所をみつけていく女性の物語――。


”異世界落っこち系(?)”ファンタジーです。一人称主人公は二十代の女性ですが、どこか飄々とした性格で、異世界の観察に適した性格と感じます。
派手な魔法や戦闘描写などはありませんが、彼女をとりまく人間関係、青年カエル(レウム)との恋愛模様が、実に繊細に、丁寧に描かれています。衣服や食事、お茶の描写が素敵です。
優しく、繊細な恋愛ファンタジーがお好きな方に、お勧めします。

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