勝利と敗北に酩酊する

後輩である笹野が小説サイトのアカウントを消し、その小説も消した。それを残念がる「私」は同級生の寺本とその話題で盛り上がるも、寺本の批判的な言葉に苛立ち、怒りをぶつける。それに対し寺本は笹野の作品を超えたものを書けると宣言するが……。

反発心のままに勝負を挑み、それでもなお物語に引き込まれ、恋心を抱く主人公「私」の姿が初々しい。小説のほろ苦さとカクテルの甘さを同時に描いたラブロマンスの掌編。マティーニとアプリコットフィズに酩酊するラストが印象的。

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