リアル志向の本格派怪獣小説

巨大怪獣の脅威をテーマとした小説。かつて怪獣によって家族を奪われた主人公が自衛官として再び怪獣と相見える、という筋書きで、復讐劇としての性格を帯びています。
特筆すべきは兵器や組織にまつわる知識に裏打ちされた濃密なミリタリー描写と、怪獣が出現することによって人間同士の繋がりがいかに破壊され、変化し、構築されていくのかを克明に描き出す筆致。
「災害としての怪獣」をみごとに表現した骨太の作品です。

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