★★ Very Good!! いくら踏み躙られても、この意志まで潰されてたまるか。 緯糸ひつじ 人々は、圧倒的な力(例えば自然災害とか、戻らない時間とか)を目にして、制御できない範疇のものを知る。無力感に襲われ、いろいろ諦めていく。 そんなものでしょ、普通。だから惹かれるんです、この主人公に。 この主人公は、復讐すべき敵として怪獣を捉え、絶対に退かない。踏み躙られ、踏み躙られ、踏み躙られ、絶望的なまでに君は無力だと教えても、絶対に退かない。 いつの間にかめちゃめちゃ応援していて、先が気になって仕方なかった。 面白い小説です。 レビューいいね! 0 2019年1月27日 10:57
★★★ Excellent!!! リアル志向の本格派怪獣小説 スガワラヒロ 巨大怪獣の脅威をテーマとした小説。かつて怪獣によって家族を奪われた主人公が自衛官として再び怪獣と相見える、という筋書きで、復讐劇としての性格を帯びています。 特筆すべきは兵器や組織にまつわる知識に裏打ちされた濃密なミリタリー描写と、怪獣が出現することによって人間同士の繋がりがいかに破壊され、変化し、構築されていくのかを克明に描き出す筆致。 「災害としての怪獣」をみごとに表現した骨太の作品です。 レビューいいね! 2 2018年8月28日 00:23
★★★ Excellent!!! 迫真の絶望感がとにかくやばい! 甘党 怪獣ものは多くの小説が溢れるこのサイトの中でも、かなり珍しいジャンルだと思います。 それだけ描写が難しいということを証左していますが、この作品は実に見事に、怪獣もの特有の圧迫感や緊張感、絶望的な恐怖、そしてそれに立ち向かうことになるキャラクターの焦燥を表現しています。 これだけでもとても楽しめたのですが、個人的には広範な軍事的知識に基づいた説得力のある戦闘シーンも見所だと思います。 緊迫感のある軍人のやりとりや、兵器の破壊力を描くことは困難を極めますが、本作品では実に生々しくそれらが書き込まれています。 非常に魅力に溢れた作品です。続きが気になって仕方がないです。 レビューいいね! 1 2018年4月19日 10:56