えっ、それ食べられるの⁈ 不可思議生物で腹が膨れる日は来るのか

スベスベマンジュウガニ、スカシカシパン、マーブルクレイフィッシュ。
これらは本作品に登場する、食材の一部です。

もう一度言います。食材です。

かつて地球に棲息していたと言われる、不可思議な生態を持つ生物たち。
宇宙ステーションに孤立してしまった天才美人博士とその助手である「僕」の食糧問題を解決すべく、『ほどほど再現くん』なるスーパーマシンによって現代より遥か未来の宇宙に再現され、実体化します。

なぜそのチョイス?! と思わず突っ込みたくなる生物の選定と、必ず訪れるお約束の失敗オチ。
当人たちが真剣であるが故に醸し出されるシュールなおかしさと、期待通り(?)に笑いを得られる安心感が、この作品の最大の魅力であります。

また、二人のキャラの掛け合いも絶妙です。
至高の頭脳を持ちながらも全く人の話を聞かず、暴走した末に自爆を繰り返す博士。
博士の功績を認めながらも内心冷静に突っ込みつつ、でも結局振り回されまくる助手。
噛み合っているようないないようなこの二人ですが、時おり思春期のぎこちない男女みたいな雰囲気になったりもします。最高かよ。

地球上にはまだまだ謎の多い生物がたくさん存在します。
特に生殖に関する部分には、我々の想像も及ばない生態を持つものもいて、読みながら心の中でへぇ〜ボタン(懐)を連打すること請け合い。

果たして彼らの食糧となり得る生物の再現に成功する日は来るのか? 今後も要注目です。

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