カクヨム時空で確認されたヒト型疑似生命体に関するレポート

名前:文字思念集合体
通称:シネン
誕生日:カクヨム暦 1100101カク 1101011ヨム
座右の銘:eiπ=-1
紹介文:文字認識可能な生命体は文字情報世界を生成する。そこに遍く存在する文字思念の集合体がシネンである。頭部は異世界ファンタジー思念、胴体はSF現代ファンタジー思念、右腕はキャラクター文芸思念、左腕はホラーミステリー思念、右足は恋愛思念、左足はラブコメ思念によって構成されている。
ただしこの構成部位は不変ではなく、文字情報世界における各思念量の増減に伴って、思念が属する部位の交換が行われる。最重要部位の頭部を構成している異世界ファンタジー思念はほぼ不動の地位にあるが、それ以外の思念は頻繁に部位交換を行っている。

外見は人の姿をしているが人ではない。生物とも言い難い。動物及び植物は種の生命を増殖、繁殖させる機能を有しているが、シネンにはそのような機能はない。誰からも生命を受け継がず誰にも生命を託さない。石の彫刻のような存在である。もちろん彫刻には作者がいる。シネンの場合、それはトリである。何故トリがこのような存在を創作したかは今のところわかっていない。

シネンが生物とは言い難いもうひとつの特徴は代謝機能を有しないことだ。生物は何らかのエネルギーを取り込み、体内で利用可能な形態に変換して自己の活動に利用している。シネンにはそのような機能はない。口は発声機能を有するのみで摂食、呼吸は行われていない。
シネンの活動に必要なエネルギーはトリによって与えられている。トリを太陽に例えれば、シネンは太陽電池で動く玩具である。光源が遠ざかり届く光が弱くなれば玩具の動きが鈍くなるように、鞄に取り付けられたトリ型エネルギー供給装置をシネンから遠ざけると活動は徐々に鈍くなる。そしてある一定の距離で完全に停止する。それがシネンの最大の弱点である。

唯一シネンが生物らしく見えるのは意思を持つ点である。これはトリの意思からは完全に切り離されている。シネンの意思は常に文字思念に向けられている。その理由は定かではないが、文字認識可能な生命体が放つ文字思念を理解することにより、作者たる生命体の本質に迫ろうとしているのではないか、という説が現在最も有力である。今後の更なる研究が待たれるところだ。

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