文芸エッセイ『万葉集について』
茜町春彦
万葉集の意味
なぜ万葉集は万葉集と云うのでしょう.
よく聞く理由は『長歌や短歌など、言の葉を万代に亘って伝える事を表現している』と云うものですが、本当でしょうか.疑わしく思っています.
それでは、万葉集の意味を考えてみたいと思います.
『万』は、『多く』と解釈します.
『葉(えふ)』は、『様(やう)』のことであると考え、『手本』と解釈します.
『集』は、『あつめたもの』と解釈します.
よって万葉集とは、万『様』集であり、『多くの手本を集めたもの』を意味していると思います.そして、その手本とは、『漢字をつかって大和言葉を書くときの手本』であると思います.
つまり、万葉集は『大和言葉の漢字表記例文集』であると思います.公家や僧侶などが万葉集を見たり、写したりして万葉仮名の使い方を覚えたのだと思います.
それでは『葉』の字を使用した理由について考えてみます.
『集』の字に注目してみると、意味は『木に沢山の鳥が集まる』です.そして、鳥が木に集まっているならば、そこには葉が茂っているはずだと考え、洒落た感じを出すために、『様』の代わりに『葉』を使用したのだと思います.
まとめますと、『漢字を使って大和言葉を書くために、多くの手本を集めたもの』と云う意味を表すために『万葉集』と云ったのだと考察します.
(了)
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