足引乃の読み方

歌番号721を例にとって、『足引乃』の読み方について考えてみます.

ただし上代特殊仮名遣は間違いであると仮定しています.


引用しますと、

721  足引乃 山二四居者 風流無三 吾為類和射乎 害目賜名

引用を終わります.


鳥は飛ぶ時に足を引くので、『足引乃』は『飛鳥』のことを指していると思います.婉曲的な表現であり、意味は『独り』だと思います.


前話で述べましたように『飛鳥』は『ひとり』と発音できてしまいますので、『藤原不比等』の『ひと』を避けて無礼にならないようにするには、『とぶとり』から更にへりくだって『足ひき』と表現して遠慮したのだと思います.


私訳ですが、現代語で示せば、

721  独りで山に居れば、風流なことなんて無いよ、私のする業を咎めないでくれよ.

と云う感じでしょうか.

(了)

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