雄大な風景、異国での出会い。近江弁で書かれたアジア旅行記

更新を楽しみにしている作品の1つです。

中国、パキスタン、アフガニスタン、イランなどを経てイラクを目指す、アジア8カ国、3万2千キロの旅。実体験がベースになっていると感じますが、旅行記風の小説です。

シルクロード(とは書かれていませんが、通過する国はシルクロードを連想させます)の雄大な風景、各国の独特な食べ物(サソリを食べたりします)、ちょっとしたトラブル、現地で出会う人々との交流、ほのかな恋……。

この作品は全編、近江弁で書かれているんですが、それが何とも上品で優しいです。

たとえば、新疆ウイグル自治区で出会ったパリーサという少女に「愛しています」を日本語で何と言うか、教える場面があるんですが、

「好きやで」

ここは会話文ですが、地の文もすべて近江弁。それがアジアをさすらう風情とマッチして、ゆったり、まったりとした心地良いリズムをつくり出しています。

心だけでも日常を離れ、アジア旅行を疑似体験したい人にオススメです。

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