第9話 帰郷

どのくらいの時間かかったか、忘れてしまった。


恐らく4日ぐらいかかったのではないだろうか。

僕らは、きょうしゅうへ戻った。


博士達は驚いていた。

僕らが戻って来る事は予想外だったらしい。


帰りの道中、僕はフェネックに本当の

“意味”を話した。

そしたら、「そういうことなら」と

さばくちほーで二人と別れる事になった。


長い長い旅路の末、サーバルの故郷、

“さばんなちほー”へ到着した。


彼女に、住んでいた家を教えて貰った。

二人で入るのには狭かったが、

最悪、ビーバーさんらを呼んで来て

新居を作って貰えば良い。


後は時間を待つだけだ。









サーバル...

僕のサーバル...


妄想が自然と広がる。


それが本能...




「サーバル...、いいかな...」


「いいよ...」



僕の、“望んでいたもの”





僕の持っている愛情


それを彼女に注いだ。



でもおかしな話だ。


野生動物と人間....


いや、彼女は


“フレンズ”


どの枠にも当てはまらない。




“みゃう....”


ネコ科の甘えた声を出す。


“はぁ...”


感じているのは、僕もわかる。




これが、自然の理なのだ。

そうやって、命を繋いできた。


僕は、元の姿に戻らなくて、良かったのかもしれない。



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