第10.5話 新芽

「子供って可愛いのだ!」


アライさんは黒髪で目がオレンジ色をし、耳と尻尾が無い、どちらかと言うとヒトの容姿をした“子供のフレンズ”をだき抱える。


「フェネックもやってみたらどうなのだ...?」


「ええー・・・、どうしようかな」


「おばさん?」


子供のフレンズは唐突にそう口にした。


「あ?今それ私に向かって言ったよね?

“おばさん”じゃないよー、

“おねーさん”でしょ〜???」


「ちょっとフェネック!顔が怖いのだ!泣いたらどうするのだ!」


「この子とは性格が合わないよ。

ていうか、親も親だよねー。どんな教え方をしているのか...」


微かに怒りを感じている。


「フェネック、子供の想像力は豊かなのだ。せめないでほしいのだ」


「わかってるけどさー・・・」


「だいぶ手を焼いてる様ですね」


博士が後ろからそう声をかけた。


「ばーちゃ!」


「はい?今私に向かって言いましたよね?島の長に向かって何ですか!

十字架に磔にして焼いてやるのです!」


「ちょっと、博士落ち着いてください

そんな白い見た目してればおばあちゃんに間違われても仕方ない...」


「どさくさに紛れてお前まで何を言うのですか!」


「ちょっと2人ともやめるのだ!

いじめないでほしいのだ!!」


アライさんが強く咎めた。


「これだから子供は苦手なのです...」


博士はだいぶご立腹の様だ。


「全く...、これだから“おとな”は嫌なのだ。ねー」


「ねー!」


アライさんは子供のフレンズを抱え、

楽しそうにしていた。


「かばんにカレーでも作らせてスッキリした方がいいんじゃないですか」


助手が博士に提案した。


「いや、子供をほったらかして

デートしてる2人がいる遊園地を爆破した方がスッキリするのです」


「ちょっと、そんな最近イライラしてるから老けて見え...」


「それ以上言ったら助手でも許しませんからね?」




「アライさんはいいよねー…

子供の扱い上手くて」


「普通に接してるだけなのだ。

フェネックも広い心を持てばいいのだ」


「広い心ねぇ...」


「何か言われても気にしなければいいのだ。子供の言うことなんて、かわいいものなのだ」


子供のフレンズをアライさんから、

受け取る。


(黙ってれば可愛いじゃん...)


「フェネックもやれば出来るのだ!」


「おばさん!」


「ごめんやっぱ無理」

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男の子になったかばん みずかん @Yanato383

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