第8話 深夜
フェネックが言っていた通り、出会うフレンズが少し僕にべったりする様になってきた。
僕はサーバルを気遣い、なるべく関わらない様にした。
しかし、シカの仲間の角を持ったフレンズが僕に向かって来たのは予想外だったが。
僕達はごこくのちほーを半周した。
今いるのは東側の“うずしおエリア”
その近くの島にいる。
この島は静かだ。
フレンズも海に住んでいる子しかいなさそう。
僕は、心に決めていた事がある。
本で読んだだけで上手くいくはわからないが...
サーバルと2人で小さい島の反対側まで来た。
2人で岸壁に座り海側に足を出し、星を眺める。
無意識にその左手は彼女の右手に触れている。
「あのさ、サーバル...」
「なに?」
「僕の願い、聞いてくれるかな?」
「いいよ」
彼女はまっすぐ星空を眺めながら言った。
「一度、きょうしゅうに戻らない?」
「えっ、いいの?」
「うん。僕は人なんかよりもっと
いいものを見つけたから...」
「...なに?」
「君だよ」
こっそりと接吻した。
「君が慣れているのはさばんなだし、
そっちの方が健康に良いと思う」
彼女は顔を赤くし僕の方を見た。
「それって、つまり...」
「一緒に、暮らそう」
彼女は一度海面を見つめてから、
僕の方を向いて、そっと頷いた。
「きょうしゅうに戻るのだ?」
「まあ、かばんさんに任せるよ」
「ごめんなさい、僕のわがままで」
僕は彼女の為に、そして自分の為にもこれが一番な方法だと思った。
サーバルに人生を捧げるなら...
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