夢と現の狭間で、凄惨な殺人事件が起こった。

 1話完結で、これほどまで読み応えのある物語に、久しぶりに出会った。
 主人公は醜い男。その生活態度もけして美しいとは言えない。そんな男は美少女と出会う。そして、美少女に執着した男は、夢と現の間をさまよい始める。それがすべての始まりだった。
 夢の中で殺されていたのは老人。現実の朝刊で死んでいた老人は、夢で殺されていた老人だった。さらに夢と現が曖昧になっていく。
 美少女と醜い男の対比。この二人の語りの入れ替わり方。それに伴う視点の切り替え。それらのどれをとっても作者の才能がうかがい知れる。
 この不思議な感覚に酔いしれたい方は、是非ご一読下さい。

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