貴方自身で確かめて。貴方が紡ぐ物語。

「どうして、あなたはそうなの?」って、言われたことを思い出す。

どうしてできないの?どうしてそんなことするの?おかしいでしょ?違うでしょ?

どうして普通じゃないの?

男、女。大人、こども。先輩、後輩。
男は女を、女は男を、愛する。
枠組みに満ちた、私たちの世界。
この世界を理解するための、生きていくための術なのだろうけれど。
普通。
それは時に、束縛であり、呪縛。

キャラクターのひとりひとりが、鮮やかに目の前に現れる。
作者から押し付けられた「キャラ」としてでなく、ひとりずつから自然に滲み出る色。
その美しさ。切なさ。

どうか、自由に。
そのままに。

私はこの物語を形容する言葉をもたない。
私が受けとった物語と、貴方が受けとる物語は、違うかもしれない。
貴方自身で確かめてほしい。読み終えた時に、目の前に広がる世界を。
貴方が紡ぐ物語を。

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