心に染み入り、深く残る素晴らしい物語。古い本のページをめくるような気持ちで読み進めた読後には、胸いっぱいになります。幸せとは何なのか。何だったのか。金の穂とともに、形となった愛が答えをくれるようです。
それは、幻でしょうか。 宝石の国からきたお姫様。彼女が蔑んでいた百姓の国で見たのは、黄金よりも輝く麦畑。理不尽から逃れ生き抜いてきた人々の、あたたかな笑顔。 肌の色が違っても、重ねた手の温もりは変わらない。 一粒の麦が寄り集まり、いつか一面の麦畑が現れるように。 私たちひとりひとりも寄り集まって、金の穂の国を見ることができたなら。 風に波打つ金色の輝き、あたたかな人々。 けれども、それは幻でしょうか。 いいえ。この物語を読んだ私たちの心には、既に種が蒔かれているのですから。
読み終わった後の多幸感。涙もろいのは認めつつも、感動しました。ぁああ良かったね、お姫様!紙で読みたい!そうして何度も読みたい、本当に。図書館に置いてほしい、そんなお話でした。最初から最後まで情景が素晴らしかったです。素敵な作品を生み出してくださり、ありがとうございました。