Creative≠imaginative


 人の生活というものを考えるとき、食べること、眠ること、住まうことに関して、まずは己が身を、というのはいささか自己中心的かもしれない。けれども実際、人はそれぞれ、壁によって隔てられた空間に住まい、調理された食事を、自身の皿に載せて食べ、自分の布団で眠る。


 ”私”は、”社会”とイコールでもなく、”世界”とイコールでも全くない。衣食住ままならない戦争や、飢餓に悩む人々がこの地球上に存在しても、そのことを気に掛けず、ぼんやりとしていられるほどに、人の生活というのは、どうしようもなく非常に小さな区切りの中で始まり、終わっていく。


 だからこそ、自分の知らない生き方、人の価値観を知ることは、常に想像力を要する。意図して、敢えて自ら望んで、初めて得られる視界なのだ。


 しかしここで間違えてはならないのは、ここで必要な想像力と、消費生活における『創造』とは、全く別のものだということである。奇妙な言い方をするようだが、人は、creativeでなくとも充分に、imaginativeであることができる。要するに、人が生きて死ぬまでの間、少なくとも必要なのは後者であって、前者は必須ではないということだ。


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