本論つづき ふたつのそうぞう
経済と政治の『間』で
複数人の間で、主観的に同価値とみなされるものの交換がなされるのを、「経済」と言うのなら、その制約の多い交換を、一方的な争奪にも、話し合いによって、当事者間だけの価値物にも出来るのが「政治」である。
”日本的な”という言い方をすると、語弊があるかもしれない。けれど、この国の変化は、過去千年を振り返っても、『政治か、経済か』とでもいえるような、この2つの異なる歩調の間にこそ、生まれてきたように見える。そんな国で生きるのに必要なもの。それは、そのどちらのルールにも "NO" とは言わない柔軟性に加え、豪胆かつ、繊細なバランス感覚なのかもしれない。
現代的な雇用の課題一つをとっても、『雇う、雇われる』の対立関係に対して、労働者という共通項による情緒的なつながりが、それを覆うように存在し、根本的な議論がされにくい、日本。このイメージならぬ、実態を変えるための有効策こそが、さながら政治的だった雇用から、より経済的な雇用への移行なのだろう。
個人にとって、自身の勤める会社が、独占的に己の市場価値を判断し、給与計算することは、総合的に見て、損か得か。もっと高く自身を評価してくれる市場があるのなら、そこへ売り出すための足枷を切り離すのが、適当である。資本主義は、まさにそうした甘言で、自由という名の ”創造主義” を、世の中に広めている。この流れに身を任せることは本当に唯々、望ましいことだけだろうか?
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