「俺の彼女が120円だった件」のタイトルのインパクトに引っ張られますが、内容は本当に存在する高校生が自分に出来る精一杯の恋愛をする現実的なものでした。
読んでいて「ああ、あるある」「懐かしいな」と感じつつもそこは小説ならではのイベントもあります。このお話には高校生活の3年間がぎっしり詰まっていて「この頃に戻りたい!」そう感じさせられました。
この物語の一番すごいところは、なぜ彼女が120円なのか?その謎を徐々に明らかにする為に主人公 櫻くん が悩み、奮闘していくだけじゃなく、周囲の人物もまた悩み、考え、恋愛して物語に絡んでくるんです!!
120円がなんのかなど色々書きたいことはありますがただのネタバレになってしまうのでここは是非読んで頂きたいです。そして語り合える人が増えたら嬉しいです。
陰キャぼっちの俺が学校1の美少女となぜか同居、異世界転生したら最強のスキルを持っていた、何かの手違いで女子と同居することに…、こういう小説も面白いと思う。こういう作品が近年増えてきて、アニメ化だったり、カクヨムで多くの星を集めたりしている。確かに作品名は出さないが名作も多く自分も好きだ。
だけど自分はこう思う。「本当にこんな展開有り得るのか?」と。告白されまくっている美少女なんて、聞かないし、圧倒的人気の人なんていなかった。異世界転生する人なんて言うなでもなく…。だから作品は面白いと思っても心の中で「こんなのありえないんだよなー」となってしまうのだ。そういった人も少なくないと思う。
しかし、この小説は違う。学校1の美少女がいきなり接点を持ったりしない。異世界転生もしないし、同居ラブコメも始まらない。物足りないと思う人もいるかもしれないがそこに現実味を感じる。自分にももしかしたらあるのかもな、と。
主人公だけでなく、ヒロインも友人もみんなで成長していく物語。
約120万字と長い作品だけれども、じっくり、ゆっくりでいいから是非とも読んで貰いたいと思う。
皆さん幼馴染は好きですか?私は好きです。
この作品は、作者様のあらすじにもあるように、特殊な設定等はありません。故にこそ、このままならない主人公とヒロインたちの関係は、よりリアルなものなのかもしれないと考えさせられます。(一途純愛な幼馴染も、負けヒロイン幼馴染も、どちらも符号的要素を持ったファンタジーと考えられません?)
まあ御託はどうでもいいんですよ。
とにかく、メインヒロイン(と私が思ってる)阿久津水無月ちゃんが可愛いんです。私の貧弱な語彙力では伝え切れないほどの可愛さです。是非読んで確かめてみてください。
現時点で、作品もいよいよ最終章。主人公たちは高校3年生になり、受験と卒業式の時期です。
先の展開は読めません。私は終始ドキドキしっぱなしです。
是非皆さんも本作に触れ、私と同じドキドキを共有していただければ幸いです。
初めは私がおじさんなので、ヲタ用語を解せずに読むのに苦労しましたが、読み進めると共に、これはぜんぜんそういうマニアックな小説じゃありませんでした。
むしろオーソドックスな、高校生の恋愛小説です。甘さもあり苦さもあり、ドキドキもワクワクも、最高にハッピーな瞬間や、果てしなく落ち込んだり、走りながら泣いたり、あまりにもいじらしい、青春の物語です。
登場人物たちもそれぞれ個性的で、会話だけになっても誰の発言かわかりますし、魅力的だと思います。読み手それぞれにお好みのキャラがあるような、そんな小説です。
私は作者さんを数学の先生ではないかと疑うほどです(笑)。
幅広い年齢層に支持されるような作品だと感じて読み続けさせていただいています。
少年少女たちは何でもない毎日に一喜一憂する。
時に笑顔を見せ、時に悩み、時には涙を流す。
勿論楽しい事が続くとは限らず、辛い事も多くある。
人間関係に至ってもそれは同様で、友達だからと常に仲良くできる訳じゃない。
好きだから好きになってくれるなんてある訳も無く、その心の有り様にかき乱されるような気持ちを覚え何とかしようと悩みを抱える。
自分自身が判らないままに周りの状況が動き、取り残されまいとしがみ付こうとする。
そんな何処にでも居る普通の学生たちが、必死に考えて苦悩し乗り越えて行く姿は輝かしい未来を連想させるのではないだろうか?
一言で言い表すのなら期待と不安の綱引きと、軽快なステップでのダンスの連続とでも言うべきでしょうか。
綱が緊張感を持ちピンッ!っと張り詰めた時の展開は読んでて不安になる事も有ります。
大丈夫だろうか?と内心の不安を抱えながら次の展開を読み進めるのですが、同時に期待の方も大きくなっていきます。
ですが常に張り詰めっぱなしではなく、日常の一コマなどでは綱引きも休日とばかりにだらんと垂れ下がります。
そうなると今度はちょっとしたギャグパート宜しく、コミカルなリズムで期待と不安が仲良く手を繋ぎダンスを始めるようなそんな楽しい一幕が繰り広げられます。
緊張感の連続でハラハラしっぱなしだと疲れてしまうけれど、だらけ切っちゃうと唯のギャグシナリオになってしまう。
その二つを程よいバランスで組み合わせてあり読み応えを感じさせてくれます。
登場人物の心情面の描写はとても繊細で、読んでいて感情を重ねてしまう場面もありました。
一人一人が本気で考えて悩み抜き未来へ進もうとする姿がありありと浮かんできますよ。