最新話読了時のレビューです。
吸血鬼と人間の恋愛作品は今までいくつか読んだことはありますが、
吸血鬼・人間両方違う時代からタイムスリップ!?
しかもタイムスリップ先の現代で何やら怪事件起こってるし!
さらにジャンルが恋愛かと思いきや現代ファンタジーだし!
え? この先どうなるの?
吸血鬼と怪事件の真相に何か関連があるの?
現代ファンタジーだから、何かと戦ったりするの?
タイムスリップしてるから、最後は元の時代に帰るの?
そして、ヒロインのイチの素性を知った吸血鬼ジョエルはどうするの?
二人の恋の行方は如何に?
この結末は作者様のみぞ知る。
全く予想ができない今後の展開に目が離せません!
戦国美女の筆頭、織田信長の妹、市姫。
歴史上では政略結婚に翻弄された悲劇の美姫。
彼女が……現代で……ヴァンパイアと恋愛!?
なるほど、これは形を変えた斬新な異世界転移もの?
ヴァンパイアはやっぱりこうでないと!
……これ以上はネタバレになってしまうので、書けないのが残念です。
ちなみに、歴史についてはさりげない説明が自然にされているので、市姫のことを全く知らなくても楽しめると思います。
一話一話が短く、読みやすいです。
ストレスなく、物語を楽しむことができます。
ヴァンパイアといえば、タイトルは、運命を示しているのか?
次第に不穏になってきた日常。
先の展開に期待しています。
タイムスリップしたお市の方が現代日本でヴァンパイアに出会う――。
このあらすじを読んだとき、ひょっとしたら不安に思う人がいるかもしれません。
「何だそれは、思いつきで書いてないだろうな?」
しかしご安心ください。この物語は、設定こそエキセントリックではありますが、エンターテインメントとしてはしっかりと創り込まれています。人目を惹くアイデアどまりではなく、読者を最大限に愉しませる工夫が張り巡らされているのです。
特に注目したいのは、ヒロインがお市の方であるという設定がきちんと生かされているというところですね。しかも、読者の興味と不安、切ない恋心を揺れ動かせるという点において。
ヴァンパイアという概念すら知らない彼女が出会ったのは、なぜか昼間は姿を見せない蒼い瞳の美青年。現代に生きる我々読者は、彼の正体について簡単に納得できますが、お市の方はそうではありません。ましてや彼女は、タイムスリップという概念さえ知らないのです。自分がやって来たこの国はどこなのか?
そして、自分の周りで起きている謎の吸血事件の真相は――?
幾重にも張り巡らされた伏線と謎解き、意外な展開、忍び寄る不安、吸血鬼・ジョエルの甘いささやき、それらが巧みに絡まり合い、本作を熱くとも甘い恋愛物語に留まらず、読む手を止めさせないエンターテインメントとして完成させています。
上下二部構成となっております。
上巻は戦国時代の美姫お市の方が現代にタイムスリップをしてきます。そこで出会ったのはヴァンパイア。彼もまた、十二世紀からタイムスリップしてきた男。
時も場所も違う二人が、本来出会うはずのない時間と場所で運命の出会いを果たす。
そして、運命の歯車は動き出します。
上巻は、二人の愛が育まれる様子が、ある事件と共に描かれます。二つの視点を効果的に使うことにより、ミステリアスな雰囲気のまま、ゆっくりと謎が解き明かされていきます。
しかし、最大の謎はそのままで、あることから下巻へと続きます。
下巻は一変して戦国時代。
記憶を失ったお市の方とそれを見守る男が一人。そして、お市の方は史実通りに三人の娘を産み育てます。
ですが、二人の数奇な運命はそれだけで済むはずがありません。
お市の方は、浅井長政に嫁ぐ前に身ごもっていた。
物語は、今も続いています。
さあ、皆様も一緒に読み進めましょう。二人の愛はどうなるのか。
人とヴァンパイアとの間に育まれた愛は、様々な障害を越えることが出来るのか!
皆さまが、この物語の語り部とならんことを。
時空を超えた女性向け恋愛ファンタジー……
という表現をしていいのかどうか、かなりジャンル分けが困難な、とにかく斬新な作品です。
「織田信長の妹・お市が、現代の北海道にタイムスリップし、そこで西洋のヴァンパイアと共に生活をはじめる」
もはや最初にこの設定に触れた時点で、完全に度肝を抜かれました。
どうしたらこんな発想が出てくるんでしょうか。ただただ驚きです。
ストーリー自体もファンタジーな恋愛物でありながら、一方ではミステリ要素を含みつつ、さらにエピソードが進むと歴史小説的な展開まで加わってきて、なかなか先が読めません。
かつてない新感覚の物語、是非ご一読を。
「お市の方」と聞けば、歴史好きなら誰もがその生涯を思い描くだろう。まさに戦国と言う時代に翻弄された、悲劇のヒロインだ。そんな彼女がタイムスリップしたのは、平成の世。そして彼女は心優しく、一途なバンパイアと恋に落ちる。その名はジョエル。しかしそこには、家畜を殺す残忍なバンパイアの影が付きまとう。彼女をイチと呼び、愛しながらも距離を保つジョエル。しかしイチを誘惑する者たちがいて……。そして、残忍なバンパイアの正体は謎のまま、イチはジョエルたちを狙う人物のために、炎の館で火に囲まれ、二度目のタイムスリップが起きる。
戦国の世に戻り、記憶をなくしたイチを待ち受けていたのは、一人の忍びとの出会いだった。しかし、そこは女は戦の道具である戦国時代。身分を越えて惹かれあう二人に、時代は残酷だった。さらに、イチの娘にはバンパイアが見えるらしく……?
戦国時代にもバンパイアがいた⁉ 残忍な平成のバンパイアとの接点は⁈
バンパイアの狙いは何なのか?
そして、イチと忍びの切ない恋の行方は?
歴史だけではなく、ミステリー要素もある極上の一品。
イチを想うジョエルの一途さが、胸を締め付けます。
話数は多いのですが、一話一話の文字数が少ないため、本当にあっという間にここまで読んでくることが出来ました。面白いです。
是非、是非、ご一読ください!
作者様と言えば、恋愛要素の上手な方だと思い込んで読み始めると、驚きます。
お市の方が、イチとして登場します。
タイムスリップをするのも大事件ですが、ヴァンパイアにかこわれるなど、まさにファンタジーです。
羨ましい魔法もあったりします。
多分、私がお腹を空かしている時に、美味しいものが出たりします。
本当のお食事は、いつしているのでしょうか?
何と、大学へ通っていたりするのが、知的で素敵です。
ところが、事件が起こったりして、ヴァンパイアは思案を巡らします。
ああ、ここまで、読もうと思っていたら、下巻も始まりました。
どこまでも作者様の好奇心は広がるようです。
キャラクターをとても大切になさる方なので、没入度満点です。
是非、ご一読ください。
物語は、織田信長の妹・お市の方がある日城の石垣から足を滑らせ、平成の世へタイムスリップしてしまうところから始まります。彼女が目覚めた場所は北海道、とある美しい洋館の中。彼女を救ったのは——美しい二人のヴァンパイアの青年、ジョエルとセバスティでした。
何が起こったのかすら理解できず、初めて見るものばかりの暮らしの中で、少しずつ現代の様々な物事に触れていく市。それと同時に、時に優しく、時にどこか意地の悪いジョエルに彼女の心は揺れ動きます。元の戦国の世で既に浅井長政へ嫁ぐことが決まっていた彼女は、自分の中に生まれたその想いに戸惑いつつも、抗うことができません。そしてジョエルも、美しく愛らしい彼女に強く惹きつけられていきます。
こうして始まってしまった、戦国の世の姫君とヴァンパイアの恋。この先に待ち受けるいくつもの大きな障害を、二人は乗り越えることができるのか——。
お市の方の日々は、タイムスリップというファンタジー要素と史実に基づいた描写がとてもバランスよく、不自然さを感じさせることなく一つに織り込まれています。ヴァンパイアという架空の存在を恋の相手としながらも、ジョエルの人物像を丁寧に描き出すことによって、いかにも架空の物というような違和感を一切感じさせずに読み手をぐいぐい物語へと引き込んでいきます。
本来ならば恋に落ちることなど許されないはずの二人が、時代を超え、いくつもの障害を越えながら必死に手を繋ぎ合おうとするその姿を、読み手は時に切なく、時にハラハラしながら見守らずにいられません。
物語は、まだ途中です。大きな困難を越えた後に、また新たなドキドキが待っていそうな気配が……。
最後まで目が離せない、姫君とヴァンパイアの深い恋情と愛情を描き出す物語です。
いま、恐らく中盤の盛り上がりの歴史とファンタジーと異世界の境目に立っているかと思われますが、是非みなさま、この作品を覗いてみて欲しいと筆を執りました。
タイムパラドックスは主流の「転生」に属し、それゆえに飽和状態の中で、本作は素晴らしい歴史の盲点と、どんでん返しを秘めています。
ヒロインとして出て来るイチの「戦国としての今」
吸血鬼たちとの「未来である今」
これがクロスオーバーして、まさにヒロインの心境が手に取るように伝わるのも、最大の魅力ではないでしょうか。
読者を惹きつけて離さないであろう、吸血鬼のエッセンス、歴史の交わり、ミステリ要素までふんだんに盛り込まれた珠玉の一作です。
そして、タイトルがヒーロー視点のメッセージになっているので、物語をラブストーリーの醍醐味を探しつつ、ヨムもお勧めです。
歴史・吸血鬼・恋愛 と三方向からの魅力を醸し出す『たとえこの身が灰になったとしても、俺は何度でも君に愛を誓うだろう。』是非、その深さを味わってみてください。
いや、これは凄いです。※現在は60話ですので、レビュー更新予定していますが、力いっぱいおススメレビューといたします。
あらすじを読んだ人は、まず本作の設定の大胆さに驚くのではないでしょうか。
歴史上の超有名どころ、織田信長の妹であり浅井長政、柴田勝家の妻となったお市の方。
戦国一の美女と謳われるそのお市の方が、平成の北海道にタイムスリップ。
そこで出会って恋に落ちるのが、十二世紀のバルカン半島からタイムスリップしてきたというヴァンパイアの貴公子、ジョエルなのですから。
生きていた場所も時代も、さらには吸血鬼と人間という立場も越えて魅かれ合う二人には、その後も過酷な運命が待ち受け、嵐に舞う木の葉のように二人は翻弄され続けます。
タイムスリップを繰り返し、お互いの立場を変えながらも二人の愛は変わりません。
大胆かつ怒涛のストーリー展開はラストまでその勢いを保ち、愛し合う二人がどこへ向かうのか目が離せなくなります。
衝撃の連続となりますので、呼吸を整えて読むことをおすすめします!
こんな設定、誰が思い付くのでしょうか?
舞台は戦国の日本、平成の日本、中世のヨーロッパを飛び交い、織田信長の妹・お市とヴァンパイアの恋を描くラブストーリーです。
突飛な感じもする設定ですが、中身は重厚で、次々に苦難が襲いかかります!
ただラブストーリーと括ってしまうのでは済まされない、異端なラブストーリーかと思います。
お市とヴァンパイアのジョエルの二人の視点で話は進んでいきますが、最後の最後まで展開が読めず、スリリングそのもの!
そして、終盤にかけて物語が大きく動き、目まぐるしく舞台が、時を、国を越えて飛び交います!
大胆な変動の裏には緻密な計算がなされており、ただ感嘆するばかり。
なかなか類を見る作品はないのではないでしょうか。
作者さまの発想力、歴史の知識、感情移入させるパワー、筆致すべてにおいて、文句なしの力作かと思います!