時空を超える吸血鬼と戦国姫の淡く深い恋の物語

ストーリー作りの面白さはお墨付きの作者の物語です(もちろんストーリーばかりではないですが)。
今回はなんと吸血鬼と戦国時代の姫の物語。
しかもこの姫は信長の妹・イチです。

この不思議な出会いをもたらすものが、極限状況下で発動するタイムスリップ。
出会うはずもない二人ですが、偶然なのか宿命なのか、同じ時代同じ場所にて出会うことになります。

貴族的な優雅さと、美貌をもつ吸血鬼のジョエル。
戦国の姫でありあまりに無垢な美しさをもつイチ。
二人の出会いは現代の北海道。そこで運命的な出会いを果たした二人は……

というのが入り口なのですが、読みやすい文章、脳裏に展開される映像の数々に、まるで映画でも見ているように物語は進んでいきます。
最初はミステリアスで奇妙な殺人事件、そこから舞台は戦国の世に、さらには……と、時を超え、舞台を超えて、二人の物語が続いていきます。

とにかく奇抜ともいえるこの設定が、読み進めるほどに嵌まっていきます。
そして波乱万丈の物語をキャラクターとともに歩むことで、いろいろな景色が見えてくるようです。

吸血鬼ものの好きな方はもちろんのこと、沢山の方が楽しめる作品だと思います。
ぜひ読んでみてください。

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