さあ、あなたも判定しよう。

人とは何か。その定義は?
単純ながら、そう簡単には答えられないこの命題に、少年ユーリが挑みます。

正統派のSFで、観念的なテーマを扱いながら、ヒネリの効いた展開はエンターテイメントとしても抜群です。
全六人の判定には、読者も必ず自分の答えを出そうと考えをめぐらせてしまうでしょう。
徐々に難易度が上がる質問が面白く、またヒヤリとした感触を与えてくれます。

ほぼ全編が会話で構成されており、1万4千字弱の短編ではあるものの、大胆な思考実験は読み応えも充分です。
ただの会話が不穏なサスペンスに変貌していく、その過程こそが、何よりの醍醐味でした。

さあ、皆さんも主人公と一緒に答えを探してみましょう!

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